会津若松の初市を彩る三縁起の風車
福島県会津若松市で毎年1月10日に行われる初市では、様々な郷土玩具が売られます。最も有名なのは、以前、この連載でもご紹介した土製の起き上がり小法師(こぼし)でしょう。そして、この起き上がり小法師とともに「会津の三縁起」と呼ばれ、市に並ぶのが、今回ご紹介する「風車」、そして「初音」(はつね)です。
風車は、会津の玩具の中では最も古いものの一つで、数百年前から作られていたもの。当時の藩主蒲生氏が無役の藩士たちにこれを作らせたのが始まりといわれています。その鮮やかな色には意味があり、赤は太陽、緑は草木、青は空を表しており、回ることで福を運んできてくれます。
「初音」は正月の早朝に、この竹でできた笛を吹き鳴らして春を告げるとともに、自らに幸福が舞い込むことを願う習慣があり、現在もお正月にはこの笛を買い求め、その年の吉祥を祈ります。