宮島に伝わる舞楽文化を表した郷土土鈴
土鈴は、縄文時代から作られており、その音色は厄を祓ってくれると信じられてきました。そのため、日本各地に土鈴の縁起物が伝わってきています。
今回ご紹介するのは広島県の宮島で3代にわたって作り続けられてきた「宮島土鈴」。写真は「陵王」と呼ばれる、中国の北斉の蘭陵王の逸話にちなんだ舞楽の一つをモチーフにしたもの。インドから中国に渡り、日本にやってきた舞楽のエキゾティックな雰囲気を残した素敵な土鈴です。
12世紀後期、平清盛が大阪の四天王寺から舞楽の楽所を宮島の嚴島神社に移して以来、舞楽は宮島の風物詩。
そんな嚴島神社の舞楽の中でも陵王は人気がある演目の一つで、周の大軍と金城下で戦って大勝し、その名を天下にとどろかせた陵王を称え、華やかな装飾がされた仮面をかぶり、勇壮な舞を踊ります。