美声で夜明けを告げる鶏の縁起物
仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后である神功(じんぐう)皇后が堺に上陸し、方違(ほうちがい)神社にて方災除けのお祓(はら)いをした際、皇后が日頃お守りのように大切にしていた黄金の小さな鶏を丘に埋め、「汝はここで永久に民人に暁(あかつき)を告げよ」とおっしゃいました。
それから毎朝、空が赤に染まりだすと、金の鈴を振るかのような鶏の鳴き声がほがらかに響き渡るようになり、民人たちはその鳴き声で目が覚めるようになりました。その鶏が埋められた場所は、方違神社の100m南方にある鈴山である、といわれています。
この金の鶏の声を聞くと幸福が訪れる、といわれ、かつては、節分の夜などには、この鈴山の麓で夜を明かし、その御利益をいただこうという参拝者も多くいました。この金の鶏を模(かたど)った縁起物がこちらの「幸鶏の鈴」。鈴山の麓でとれる土を使い、由緒ある湊焼(みなとやき)の窯で焼かれています。