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「日常的に使いたくなるものを」アートディレクター・藤田裕美に聞いた、星野源のツアーグッズ「MAD HOPE」に込めた思い

ツアーグッズは思い出にするだけでなく、日常的に使いたくなるものを。常々そう語る星野源が自らデザインを依頼し、アルバム『Gen』のアートディレクターも務めた藤田裕美に、制作に込めた思いを聞いた。

photo: Takuroh Toyama / text: Masae Wako

ツアータイトルの二面性と、自由に解釈できる色選びを意識

話を聞いた人:藤田裕美(アートディレクター、グラフィックデザイナー)

『Gen』のアートディレクションを、と声をかけていただいたのは昨秋。「持った人がうれしくなるものを」と、アルバムのデザインからツアーグッズや会場の装飾にまで気を配る星野さんの姿を見て、プロデューサー気質もある方だな、と感じたのを覚えています。

打ち合わせ中、真っすぐ相手の目を見て話す/聴く姿も印象的でした。グッズデザインのベースとなったのは、アルバムのビジュアルです。川島小鳥さん撮影のモノクロ写真やキーカラーの2色を基に、MADでHOPEという二面性のあるツアータイトルに合う強いデザインを意識しました。色の選択に意味はありません。目にした人が意味を見出すこともできるし、百人百様の解釈があっていいと思います。

「ツアータイトルになった曲『Mad Hope』の歌詞を使いたくて、バックプリントに入れました。小鳥さんが撮った良い写真もたくさんあったのでフォトTに」(藤田)。3,800円。

「縦長のトートバッグはよくあるので、少しイメージが変わる横長の形に」(藤田)。幅約50㎝と大きめで、持ち手も長いコットンバッグ。縁にも歌詞をちりばめた。内ポケット付き。2,500円。

「キャップは、形で印象が変わる。見た目と使いやすさにもこだわって形を起こしてもらいました」(藤田)。フロントにワッペン風の刺繍。後ろに“GEN”と刺繍があるのもうれしい。3,000円。

「ツアーグッズは購入してその場で身に着ける方も多い。キーカラーの2色を含め、会場が華やぐように色を多く使いました」(藤田)。手触りの良いパイル地のタオルは約34×100㎝。2,000円。

シンプルな手ぬぐいは「暑い夏にかけてのツアーなので、あるとうれしいなと思ってリクエストしたアイテムです」(藤田)。綿100%、約35×90㎝。紫のほか白地×オレンジもあり。1,500円。

背面に「Mad Hope」の歌詞を配したロングスリーブT。「着やすい白Tのほか、差し色になるビビッドなオレンジでロンTを。グッズ全体の配色バランスを考えて作りました」(藤田)。5,200円。

「キーホルダーは金属プレートを塗装し、色差し加工しています」(藤田)。二面性を持つタイトルの味わいとグラフィックの美しさが際立つ、まさに“持っていてうれしくなる”グッズ。1,200円。

「日常的に使いやすいモノトーンにしました」というスリッパはロゴの刺繍入り。本体は素足にも気持ちいい綿100%。踵部分に厚みがあり歩きやすい。底裏にすべり止め付き。2,200円。