必要なものを最低限持っていくための5ルール。
パリやミラノなどの海外コレクションを見続けて30年以上という栗野宏文さんは、旅巧者。昨年は、ヨーロッパのほかにアフリカ・ナイジェリアへの出張も重なり、約70日間の海外滞在だったという。
「今までいろんなスーツケースを試してきましたが、20年くらい前から〈イースト パック〉を買い替えながら使っています。旅先では、国内線での移動や、電車への乗り継ぎもありますし、必ずしも楽な環境ではありません。だから、軽くて丈夫という意味でこれが最適ですね。
これと機内持ち込み用バッグで十分なんです」と話す栗野さんが見せてくれたスーツケースには、通常の約1週間分の海外出張用の荷物がパッキングされている。アイテムごとにモジュール化されたユニットが隙間なく収納され、財布も通貨ごとに用意。
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「僕には、“5ルール”というのがあって、例えばシャツ5枚、靴下5足というように毎日着るようなものは、5つまでという決め事があるんです。昔は、滞在日数分持っていきましたが、結局は、着ない(使わない)ものがあるんです」と話す栗野さんは、この5ルールにしてからパッキングがずいぶんと楽になったという。
必要最低限の荷物でありながらも旅先では、十分に満たされる。かつ、ファッションを生業にする栗野さんらしいお洒落の本分も詰まったスーツケースは、まさに、パッキングの最終形というべき姿なのだ
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