銀座の夜に、ラブソングが鳴り響く。岡村靖幸と優河による「BRUTUS LOVE SONG NIGHT with AUGER」が開催

去る10月10日〜25日、東京・銀座の〈Ginza Sony Park〉で15日間にわたって開催された「マガジンハウス博」。創業80周年を記念したこの祭典を締め括ったのが、「BRUTUS LOVE SONG NIGHT with AUGER」だ。アーティストの岡村靖幸と優河がライブパフォーマンスを披露し、珠玉のラブソングによって彩られた一夜を、改めて振り返る。

photo: Koh Akazawa / text: Emi Fukushima

静けさと熱狂。対照的な二人のラブソングが街と溶け合う

18時を少し過ぎた頃。1日降り続いていた雨がやみ、涼しい夜風に包まれた〈Ginza Sony Park〉の屋上では、来場客がライブの始まりを今か今かと待っていた。「BRUTUS LOVE SONG NIGHT with AUGER」は、10月15日に発売された「特集 ラブソング」と連動した一夜限りの企画。二人のアーティストが“ラブソング縛り”で演奏を披露するこのライブは、グルーミングツールブランド〈AUGER〉によるサポートのもと、抽選に当たった100名が無料で招待された。

この日のためだけに設置されたステージにパッと明かりが灯り、MCのCaseyさんが姿を見せると、いよいよ幕開け。まず呼び寄せられたのは、アコースティックギターを抱えた優河さんだ。リリース前の「All the words you said」、そして18歳の時に初めて書いた楽曲「愛を」を皮切りに弾き語りでのパフォーマンスが始まる。深くのびやかな歌声とギターの豊かな音色が、車が行き交う音やクラクション、街の喧騒と自然に溶け合い、辺り一帯に心地よく響き渡っていった。

「とっても大好きな友達に向けて書いた曲。すごく落ち込んでいて、今にも消えてしまいそうで、でも私は何もできなくて。できることは、ただ、そこにいてほしいと願うことだけでした」。そう語り、歌い始めたのは「泡になっても」。“ただ行かないで”という切実で大きな愛の込められた歌詞がこだまし、来場客はじっくり聴き入る。

その後も、2019年リリースの「めぐる」、ベッド・ミドラーの「The Rose」のカバー、そして亡き祖母への思いを込め、自分の中では最大のラブソングだという「灯火」の、全6曲を披露した優河さん。会場中がその静かな優しさに包み込まれた、美しい30分間だった。

ラブソングの名曲が、雨上がりの銀座に響く

岡村靖幸さんが演奏している様子
数々のラブソングを生み出してきた岡村靖幸さんが登場。

束の間の休憩を挟んだのち、ライブは後半戦へ。続いて、バンドメンバーを引き連れ、真っ赤なシャツに黒のスーツ姿で颯爽とステージに現れたのは岡村靖幸さん。1曲目の「できるだけ純情でいたい」から、会場の温度を一気に引き上げる。「マガジンハウス!ブルータス!ノッてくぜ!」と煽ると、会場中も大きな歓声で応え、「揺れるお年頃」「彼氏になって優しくなって」、そして「19(nineteen)」と、新旧の名曲を次々に披露。もちろん、マイク片手に、キレのあるダンスも健在だ。続くバラード「イケナイコトカイ」では、会場は一転、しっとりとしたムードに。紫の照明で照らされた岡村さんが繰り出す妖艶な歌声が、銀座の街にじんわりと染み渡っていく。

「愛はおしゃれじゃない」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」、そして「だいすき」と、岡村さんのキャリアを象徴する代表曲が続くと、会場の盛り上がりは最高潮に。途中、岡村さんが来場客側にマイクを預ける一幕もあり、オーディエンスの大熱唱が夜空に轟いた。そして、熱気冷めやらぬままに突入したアンコールでは、ロバータ・フラックの「Feel Like Makin’ Love」をカバー。MCを挟むことなく、全力疾走のままに全9曲を完遂した。

ステージをサポートした〈AUGER〉のブースも

〈AUGER〉のブース
〈AUGER〉も一夜限りのブース出展。洗面台を乱雑な印象にしない、黒を基調にしたスタイリッシュなデザインもこのブランドの持ち味。

熱気に包まれた会場の一角では、今回のライブをサポートした〈AUGER〉も特設ブースを出展。1908年創業のグローバル刃物メーカーの貝印より2022年に生まれたブランドで、「心に触れて“整える”時間」を標榜し、高い機能性とデザイン性を兼ね備えたグルーミングツールを展開している。会場には、ブランドを象徴するシステムカミソリを筆頭に、ハサミ、電動トリマー、ツメキリなどがずらりと並び、ライブの前後には、製品を眺めたり、実際に手に取ったりするべく、ブースを訪れる来場客の姿も多く見られた。

身だしなみを整えることと、ラブソングに耳を傾けることは、いずれも自分と向き合い、心を整えるという意味で通じるもの。岡村靖幸さんと優河さんという対照的なふたりのアーティストが届けたラブソングだらけのライブパフォーマンスは、〈AUGER〉の哲学とも共鳴し、来場客たちの心を穏やかに、そして豊かに満たしたまま、余韻とともに幕を下ろした。

ライブの様子

Coming Soon! 伝説の一夜が再び

会場を撮影しているモニター

まさに伝説の一夜となった今回のライブだが、現在、映像の有料配信を準備中。足を運んでくれた方にも、観ることができなかった方にも、記念すべき夜を追体験してもらえるはずだ。

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