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イラストレーター・横山寛多が水族館に通う理由。「淡水魚から目が離せないから」

かわいくて、不思議で、面白い、生き物たちの魅力が詰まった水族館に魅せられる人が急増中。海や川の生き物を愛し、水族館に通うイラストレーター・横山寛多さんの、楽しみ方や時間の過ごし方を聞いてみた。

text & edit: Yuriko Kobayashi

大型淡水魚の不穏さにドキドキ……

僕にとって水族館は“怖さ”と切り離せないもの。子供の頃、地元の〈江の島水族館〉によく行っていたのですが、薄暗い雰囲気や、館内に置かれたグロテスクな生物の剥製が怖くて……。でも不思議とまた行きたくなるのは、“怖いもの見たさ”なんでしょうね。

一番怖いのは大きな淡水魚がいる水槽。体のフォルムも動きも全体的にぼんやりしているせいか、次に何が起こるかわからない不穏さがある。そこがすごく怖いんだけど、見ちゃうんですよね。僕は昔から水中や、不思議な川の夢をよく見るので、前世は大型魚を恐れる小さな川魚だったのかもしれない、魚座だし(笑)。

川や湖に行くこともよくあって、〈滋賀県立琵琶湖博物館〉にある水族展示室は好きなスポット。琵琶湖の主といわれるビワコオオナマズ、小型ナマズのネコギギや水中に巣を作って子育てするハリヨなど、貴重な淡水の魚を飼育しているのもいいですね。実物の水草や岩がレイアウトされた水槽は疏水(そすい)を横から覗き込んでいるような感覚になれて、夢のような空間です。

ネコギギ
国内最大級の淡水生物展示を行う〈滋賀県立琵琶湖博物館〉の水族展示室。ギギなど琵琶湖と県内の河川に生息する在来魚のほとんどを展示する。