大阪の音を楽しむ6軒。〈wapiti〉店主・秋谷直弘が案内

選曲の良いカフェでランチを済ませ、レコード屋へ。歩き疲れたらジャズ喫茶でコーヒーを。早めにビールで乾杯し、音をつまみに音楽談議。ほろ酔い気分でリスニングバーへ。音楽が響く街で過ごす一日は最高だ。

Illustration: Yuka Kamogawa / Text: Mitsuhiko Terashita

歴史ある北浜〜淀屋橋に
極上の音箱が続々出現中

案内人の秋谷直弘さんは2017年、当時は空白地帯に近かったこのエリアでジャズとジンの立ち飲み〈wapiti〉を始め、ブレイク。今年2号店〈yacipoci〉もオープンさせ勢いに乗るキーパーソン。

「エアポケット的なこのエリアは、大阪っぽいコテコテ感が稀薄で、特に東横堀川沿いは風通し良く、清新な空気感に惹かれて集まるオーナーのセンスが、選曲の良さに映るのはある意味で必然」と語る。古い木造家屋や元金庫室など、ハコ自体の音響特性に恵まれた場所が多いのも、音好きにとっては福音。中でも快曲が待つ6軒を、案内してもらった。

大阪エリア リスニングバー マップ

Compufunk Records

「見事な夜景、アンビエントサウンド、そしてお酒のセットが最高」。

アメリカ村時代を含め25年の歴史を誇るテクノ、ハウス、エレクトロニック・ダンス・ミュージック専門レコード店。ゆったり広いフロアに併設のバーカウンターから雄大に土佐堀川を見渡せる。

Mole & Hosoi Coffees/Mole Gallery

「金庫だった空間で、エイジングを経たJBLスピーカーからの音が衝撃的にクール」。1927年完成、マヤ・インカ様式の石造りビルのカフェ。ジャズ、ロックの新譜まで幅広く。

パーラー淀屋橋

「昼も夜も。コーヒー、アルザスの自然派ワイン、タルトフランベなど。思い立ったら寄れるカフェダイニング」。

アナログでプレーするクルアンビン、ムーンチャイルドなど話題の現代USチルアウト・ロックが空間によくフィット。レコード持ち込み可、なのも嬉しい。

yacipoci

「1930年代式ビアサーバーで6種の抽出方法を使い分ける生ビールも自慢!」とオーナー・秋谷さん。

約3,000枚のレコードから、ジャズの中でも特にフリージャズを中心にプレー。高い天井の木造一軒家も音の良さに拍車をかける。2021年1月オープンの大衆酒場。

escapé LODGE and ESPRESSO

「昼はエスプレッソ、深夜はプレミアムラムなど。上質なカフェとして貴重な一軒」。

2フロアで広めの空間。US西海岸レイドバック・ロック、ダウンテンポ・エレクトロニカなど約1,000枚のLP、CDから選曲。

Winestand No-2

「窓の外の東横堀川の景色と緑が心地いいガレットと自然派ワイン立ち飲みの名店」。

計1,000枚のアナログとCDのコレクションは60~70年代のジャズ、ブラジリアン中心。夏は特にブラジリアン率高め。木の床とヴィンテージスピーカーで、音の響きの柔らかさも抜群。