レトロなデザインと香りで話題。世田谷発コスメ〈リンク オリジナル メーカーズ〉が人気の理由

THE NUMBER “1916”

パッケージの「1916」に込めた思い

ヨーロッパにある架空の製薬会社をコンセプトに掲げる〈リンク オリジナル メーカーズ〉の商品には、すべてに “AGED IN 1916” と記されている。これはブランドが始動した2016年にちなみ、ちょうど100年前に創業したという架空の設定を表現したもの。ただ老舗を装うために飾られているのではなく、“実際に100年続く信頼と文化を築きたい”という思いが込められた。

Froam a Lip Balm

すべてはリップバームから始まった

“生活の必需品”という点に重きを置き作られる〈リンク オリジナル メーカーズ〉のコスメ。その哲学は、ブランド設立と同時に生まれたリップバームに色濃く表れている。年齢や性別といったセグメントにとらわれず、老若男女の必需品を作ろうと決めて、乾燥トラブルのケアに多くの人が使用するリップバームにまず目をつけた。これが評判を呼び、当時の考えが今も商品開発に脈々と息づいている。
写真1枚目は、初期パッケージ。現在は他商品と統一感のあるデザイン（写真2枚目）にリニューアル。

BRAND IDENTITY

店も商品も、人と人を繋ぐツール

「さまざまな世代に届けたい」という思いから、ファミリー層が多く住む世田谷区三宿通り沿いに本店をオープン。今後は国内での店舗展開に加え、海外出店も視野に入れるなど、商品の魅力やブランドの世界観を直接伝えられる対面での販売に力を入れている。また、「それ、どこの？」と会話が弾むような商品開発にも余念がない。デザイン、香り、成分などすべてにおいて、手に取った人のコミュニケーションツールになるコスメを目指している。

SIGNATURE SCENT

シグネチャーアロマ「997番」とは？

〈ポルシェ〉のコードネームのように、全10種の香りは900番台の番号で表されている。中でも、シグネチャーアロマとして親しまれるのが「997番」。フルーティでほのかな甘さと、ゼラニウムやサンダルウッドの香りが心安らぐと評判。香りを軸に揃えられるよう全アイテムでの展開を目指しているが、まだ叶っていない。商品ごとに成分が異なるため香りを再現するのが難しい。ただ諦めず、挑戦は続いている。

ABOUT LABEL DESIGN

ラベルデザインのこだわり

コンセプトでもある、1916年に設立された架空の製薬会社を表現するため、ラベルデザインにもこだわりがある。当時を彷彿させるイラストをパッケージに添え、ロゴや品名はグラスサインアーティストのHiroki Kataokaによる描き下ろし。アメリカ西海岸の伝統的なグラス工芸で培った経験とノウハウを生かし、ラベルの隅々まで20世紀頭から続くようなオーセンティックなムードがちりばめられた。

RECOMMENDED BY EXPERTS

プロも認めたヘアバーム

〈リンク オリジナル メーカーズ〉の人気に火がつくきっかけになったのが、ヘアバーム。業界では珍しいオリーブオイルを主成分にしており、酸化しにくい原料を採用。開封から時間が経っても酸化臭が気にならないほど香りの持続が長い。髪だけでなく、手指の保湿ケアもできる使い勝手の良さも相まってサロンスタッフの間で瞬く間に話題となり、以来ロングセラーに。

BRASS OR SILVER

ボトルキャップを着せ替えられる

生活の必需品であるコスメを、より親しみを感じるものに変えたい。そんな発想から、リップバーム専用キャップが生まれた。彫金師によるハンドメイドで、ブランドロゴと開閉しやすい溝が刻まれている。定期的に買い替える消耗品も、あっという間に愛着が湧く逸品にアレンジできる。