フランス生まれの〈ル・クルーゼ〉が日本向けに開発した鍋、ココット・エブリィ。コンパクト設計ながら、十分な深さがあり、煮物や煮込み料理、揚げ物まで万能。なんと言ってもごはんがおいしく炊けるのが大きな特徴だ。深さに加え、丸みを帯びた底、ドーム型のフタのトリプル効果で、鍋内部で均一かつ効果的な対流が起こり、食材全体に熱がムラなく伝わる。美しい色彩と豊富なカラーバリエーションも魅力だ。
〈ル・クルーゼ〉愛用歴は10年を超えるという稲田俊輔さん。「持っているだけでウキウキするビジュアルと存在感があり、そのまま食卓にも出せる。“使い勝手”を超えた高い性能を備え、その魅力全部でひとつの体験的価値を創り上げていますよね」
ココット・エブリィも、もちろん自宅で、日々活用している。
ごはんを好みの炊き上がりに微調整できる

「ココット・エブリィの魅力を一言で表すなら“安心感”という言葉がぴったりです。厚手で、内部は丸みを帯びていて、蒸気を逃がすこともなく、食材一つひとつに均一に熱が回るのが目に見えるかのようです」
使い始めた頃は、とにかく粥を炊くのにハマったという。
「熱が内部全体にムラなく対流することで、きれいに炊き上がる。ごま油などを加えるお粥も美しく乳化して本当においしいんですよね」
もともと、ごはんの味と炊き加減には一家言ある。
「柔らかめが好きか、それとも硬めか、好みが分かれると思うのですが、僕は両方好き。ときに茶懐石で供されるような、米そのもの、むしろ水を味わうような柔らかいごはんが食べたくなるし、鬼の牙のようにパキッと硬いごはんもおかずが進みます」
ココット・エブリィならそんな微調整が可能だと話す。ベーシックな炊き方については以下の通りだ。
ごはんの炊き方

【用意するもの 注)3合分】
米……3合
水……540~600ml
注)白米1:水1~1.1の割合
【下準備】
米を洗い、20分ほど水に浸しておく。
【作り方】
1.鍋にザルで水気を切った米、分量の水を入れ、インナーリッド(内フタ)、フタをして中火で沸かす。
2.弱火に落として10分ほど炊き、10分蒸らす。
3.空気を含ませるように全体を混ぜる。
使用製品……ココット・エブリィ 18、ココット・エブリィ 18用インナーリッド
少ない材料、シンプルな工程でも「鍋がおいしくしてくれる」稲田さん考案の2品のレシピ
今回、教えてくれた2品は、いわく「ごはんがなきゃどうにもならん」ほど、白いごはんが進む、シンプルだけれどごちそう感のあるおかずだ。
1品目は水と調味料を合わせた煮汁で、豚バラ肉と大根を煮込むだけという「シンプル豚角煮」。
「簡単にするためにシンプルにするのではなく、シンプルにすることで味わいが研ぎ澄まされる。若い頃、日本料理店で学んだ考えを生かしました」と、稲田さん。ニンニク、ショウガなどの香味野菜を使わないこと。加えて、豚バラ、大根とも下茹でが不要なのが「シンプル」たるゆえんだ。
「香味野菜の代わりに、日本酒を大量に使って臭みを取ります。豚バラの脂は下茹でで落とさず、大根に吸わせる。大根もまた香味野菜なので、臭み消しにも一役買いながら、豊かな脂を含んだ煮汁を吸い込んで、まるで肉のような味わいになり、非常に得した気分になれます」
ここでも頼りになるのがココット・エブリィの性能だという。
「水分が多すぎると旨みが薄まるのですが、一般的な“ひたひた”より少量の煮汁で綺麗に煮上がるのは、対流のよさのおかげです」
シンプル豚角煮の作り方

【材料】2~3人前
豚バラ……300g 4等分
大根……500g 食べやすい大きさ
濃口醤油……54g(大さじ3)
砂糖……27g(大さじ3)
酒……100cc
水……100cc
大葉……5枚
【作り方】
1.調味料と水を鍋に入れ、混ぜて砂糖を溶かし(完全には溶けきらなくてもOK)、豚バラ、大根の順で鍋に入れ、紙ブタとフタをし、中火にかける。
2.蒸気が上がってきたら、そのまま弱火で60~90分煮込む。
3.器に盛って大葉の千切りを載せる。
使用製品……ココット・エブリィ 18

2品目は「手羽先の台湾風煮込み」。甘辛い煮汁で肉を煮込むだけという調理の基本は「豚角煮」と同じだが、こちらは中華で一般的なニンニク、ショウガ、ネギの香味野菜を使用するうえに、豆板醤も加える。「鶏肉は豚肉と比べて淡泊なので、香味野菜などと調理することでパンチのある、ごはんが進む味に。先に焼いたり炒めたりせず、煮込むだけ。ココット・エブリィなら豚角煮同様、少量の煮汁で、焦がさずしっとり煮上がります」
ポイントは、盛り付ける際に太めの千切りにしたネギをたっぷり添えること。
「薬味ではなく、鶏肉と香味野菜の旨みがぎゅっと詰まった、おいしい煮汁を味わうためのネギです。煮汁を絡めてバリバリと食べれば、これまたごはんが進みますよ」
手羽先の台湾風煮込みの作り方

【材料】
手羽中……300g(約8本)
ネギの青い部分……20g(10cm)
ショウガ(薄切り)……4g(1片)
ニンニク(薄切り)……8g(2片)
豆板醤……12g(小さじ2)
濃口醤油……24g(小さじ4)
砂糖……18g(大さじ2)
酒……60cc(大さじ3)
水……100cc
白ネギ……太めの千切り
【作り方】
1.調味料、ネギの青い部分、ショウガ、ニンニクと水を鍋に入れ、混ぜて砂糖を溶かし(完全には溶けきらなくてもOK)、手羽中を鍋に入れ、紙ブタとフタをし、中火にかける。
2.蒸気が上がってきたら、そのまま弱火で30分煮込む。
3.器に盛って白ネギの千切りを載せる。
使用製品……ココット・エブリィ 18

〈ル・クルーゼ〉ココット・エブリィ

日本人のライフスタイルに合わせて作られた鋳物ホーロー鍋、ココット・エブリィは、18、20の2サイズ展開。
写真左より、ココット・エブリィ 20 マットブラック(シルバーツマミ)36,300円、100周年記念カラー、ココット・エブリィ 18 フラムドレ(クルーシブルライトゴールドツマミ)37,400円、ココット・エブリィ 18 メレンゲ(シルバーツマミ)33,000円。