眼に迫る台形の巨大建築〈国立京都国際会館〉。モダニズムの傑作を巡礼する

京都は伝統と格式だけではありません。学生の街であり、多くの旅人の出入りがある。よその人を受け入れる土壌を持った、多様性溢れる場所なんです。伝統だけでなく外からの文化を継承した、30~40代の料理人やカルチャーの担い手が独立し、活発に動きながら面白い街を醸成しています。時間の流れや個人の価値観がレイヤーとなって織り成す、独自のポップカルチャーが老若男女を元気づける街。悠久の歴史を育んできた都は、私たちの再訪を気長に待っています。さあ、これからが楽しみな"知らなかった京都"にお邪魔しましょう。

Photo: Makoto Ito / Text: Shiho Yoshida

開館は昭和41(1966)年、ビートルズ来日の年。日本モダニズム建築の雄、丹下健三を師に持つ大谷幸夫設計の巨大な要塞。これまで一般利用は予約限定だった〈国立京都国際会館〉が、自由見学できるICC Kyoto Open Dayを開始した。

京都〈国立京都国際会館〉石井幹子デザインの照明
折り紙を彷彿させる照明デザインは石井幹子。苔色の毛氈が敷かれたラウンジスペースには庭を望むカフェも。
京都〈国立京都国際会館〉メインホール
頭上に巨大な円盤を配したメインホールは京都議定書の舞台となった場所。公開は「建築の日」のみ。
京都〈国立京都国際会館〉剣持勇デザインのインテリア
インテリアの筆頭デザイナーは剣持勇。代表作の六角椅子はNYのノグチミュージアムにも出張展示された名品。

台形を組み合わせた意匠の着想は自然の“山”。視察の際にカメラのフィルムを忘れてしまった大谷のスケッチには、周囲の山並みと調和する山型の建物が描かれている。

照明や家具デザインも錚々たる面々。今なお、前衛。激動の時代の熱量をそのまま具現化したかのような名建築だ。

京都〈国立京都国際会館〉外観