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紙でできた育つ植木鉢「パピエポ」とは。表参道〈CIBONE〉にて展覧会「共棲」が開催




7月23日から8月14日まで、表参道〈CIBONE〉で展覧会「共棲」が開催。アーティストとデザイナーのユニット〈Ckinoco(キノコ)〉による植木鉢「パピエポ」と、植物屋〈叢 - Qusamura〉による植物がコラボレーションする。


text: Sara Hosokawa

雑誌や排紙などの
紙でできた植木鉢「パピエポ」

生長する植物に対して、鉢も変化できないだろうか。

そんな問いから生まれた「papierpot(パピエポ)」は、読み終えた雑誌や印刷で出た排紙などを原材料として作られた植木鉢だ。

役割を終えた紙に再び命を宿したこのプロダクトは、時が経つにつれ、表面に自然な紙のゆらぎが現れ様々な表情を見せてくれるため、植物を育てるのと同じように“鉢も育てる”楽しみがある。

「パピエポ」を作ったのは、デザイナーの柳川敬介さんと現代アーティストの小平篤乃生さんのユニット〈Ckinoco(キノコ)〉。2人の出身地である広島の歴史を学び、未来へ繋ぐ活動をモットーとし、アートとデザインの境界を超え「Love & Peace」をテーマに様々な分野に挑んでいる。

ところで、「パピエポ」は水やりをしたら壊れてしまわないのか?

頻繁に水やりが必要な植物には向かないが、多肉植物や水やりの頻度が少ない植物なら問題なし。下の写真は多肉植物を植えて1年が経過したものだという。

パピエポ

美しいフォルムや環境に負荷がかからないような作りは、製本会社〈篠原紙工〉の為せる業。それぞれが職人の技術が丁寧に紡ぎ出した一点物なのだ。

植物が『いい顔』をしているかどうか。
独自の美しさを提案する植物屋〈叢 - Qusamura〉

展覧会「共棲」では、「パピエポ」一つ一つに合わせて植物が植え込まれて展示されている。

植物を手掛けるのは〈叢 - Qusamura〉。店主の小田康平さんは、独自の視点で植物を捉え、美しさを見出した一点物の植物を扱っている。

植物の仕事を始めて数年後、ある世界的アートコレクターが納品後に傷ついた植物を見て発した「闘う植物は美しい」という一言に衝撃を受け、以来、植物選びの基準を、整った美しさから、『いい顔』をしているかどうかに変えたのだという。

〈Qusamura〉の“Q”が表すように、「これ、なに?」と不思議に感じるような個性的な植物との出会いを生み出している。

「パピエポ」×〈叢- Qusamura〉の植物。
展覧会「共棲」に注目

職人の手で作られた、一点ずつが個性豊かな「パピエポ」と、そこに植え込まれた〈叢 - Qusamura〉の“いい顔をした”植物。

生命力溢れる植物が古紙に息吹を与え、鉢は植物の生長に寄り添い形を変える。 似て非なるこの2つがともに育っていく、これまでにない鉢と植物の関係性を提案する展覧会だ。

会期は7月23日から8月14日まで。お気に入りの一点に出会いに訪れてみては。