かもめんたる・岩崎う大の怖いもの見たさ

photo: Kiyoaki Sasahara [L MANAGEMENT] / styling: Yusuke Matsumoto [anahoc] / hair&make: Sachie Muranaka / text: Minori Okajima

背筋がゾッとする話が好きな人も、ほどよいスリルを楽しみたい人も、“怖いもの見たさ”は人それぞれ。映画、小説、YouTube、ゲーム……。あらゆるホラーコンテンツの中から、かもめんたる・岩崎う大さんに好きな作品を選んでもらい、それぞれの"怖さレベル"を判定してもらいました。

本記事も掲載されているBRUTUS「怖いもの見たさ。」は、8月16日発売です。

 

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度を越した恐怖はエンタメに。怖がりだけどやめられない

よく「コントが怖い」と言われるんですが、僕自身は怖いものが苦手なんですよ、本当は。でもなぜか幼い頃から、“ホラー映画を観ないと一人前の大人になれない”という感覚があって。昔はホラー好きの父親と一緒に、『パペットマスター』や『ザ・フライ』を嫌々観たっけ。グロテスクな画が脳裏に焼き付いて離れませんでした。

最近観た台湾ホラーの『呪詛』も、呪いや霊をお持ち帰りしてしまう感じがすごく嫌でした。劇中に出てくるお経の音も怖かった……。でも、最後に視聴者をもっと怖がらせる仕掛けを用意している部分とか、構成や演出が優れているなと感心しました。怖い以上に面白いと思えるものがあるから、ホラーはやめられないですね。

普段は家で料理をしながらイヤホンで怪談を聴いたり、昔流行った2ちゃんねるの洒落怖を読んでみたり。怖がりなりに、いろいろ挑戦してます。たまに度を越して怖いものにも当たるけど、そうすると逆に笑えてくる。ホラーもお笑いも、エンタメ性が大切ってこと。僕のコントの世界観にも、少し通じる部分があるかもしれません。

岩崎う大が選ぶホラー作品3選。怖さを判定してもらいました

『粘膜人間』2.0怖
小説/著:飴村行/2008年/異形な巨体を持ち、暴力を振るう弟。怯える兄弟たちは、ある男たちに弟の殺害計画を持ちかける。「正直そこまで怖くはないんだけど、話の展開、世界観、馬鹿馬鹿しさ、全部が良かったです」

『蝋人形の館』3.0怖
映画/監督:ジャウム・コレット=セラ/米=豪/2005年/気味の悪い蝋人形館で若者たちがおぞましい恐怖に直面する。「リメイク版がいい。ラストも壮大。個人的名シーンは、登場人物が体の“ある部分”を切断されるところ」

『島田秀平のお怪談巡り』5.0怖
YouTubeチャンネル/2019年〜/芸人・島田秀平が芸人仲間や怪談師をゲストに招き、恐怖話を展開していく。「仕事で怪談話を勉強する機会があり拝見。特に田辺青蛙さんの『切腹マニアオフ会』という怪談が怖かった」

岩崎う大

いわさき・うだい/1978年東京都生まれ。お笑いコンビ・かもめんたるのボケ担当。主宰する劇団かもめんたるの舞台『S.ストーリーズvol.2』が8月20日まで上演中。