ポップな色使いの“ニュー”ヴィンテージ
Samuel Smalls
オフィスビルの地下1階、ここは倉庫?とドキドキしながら進むと鮮やかな色のポスターがずらり。店主のリュ・ソクジュさんは、ロンドンでフォトグラファーとして10年ほど活動。2014年に帰国し、ショップを開店した。
扱うのは主に1950〜80年代の家具やポスター、キャラクターグッズだ。「ヴィンテージ家具というと木製のイメージが強いですが、私はプラスチックやスチール、メタルといったタフな素材が好きで揃えていました。ですが、価格高騰で国外からの仕入れが難しくなり、近年は昔の感覚を盛り込んだ“ニューヴィンテージ”なオリジナル製品に力を入れています」。70年代によく見られるグリッドを用いたデザインのカラフルなグッズは要注目だ。
店主が実際に使い吟味した工芸品を扱う
WOL HANNAM
人気ショップが軒を連ねる漢南エリアのビルの一室の静けさに包まれた空間。オーナーのチョ・ソンリムさんは景福宮の北側の三清洞(サムチョンドン)でギャラリーを営んでおり、扱う作家の作品を常時販売する店として開店。韓国の作家を中心に約20名の工芸作品を取り扱う。
「マーケティング会社を経営していてオンラインの仕事が多く、人の温もりを感じたいと思い、韓国や日本を旅して出会った作家の作品を扱うようになりました。私が実際に使ってよかったものだけを並べています」。
韓国現代白磁の第一人者とも言われるイ・キジョ、銅や木の器に漆を塗り深遠な世界を表現するパク・ミギョン、日本からはガラス作家の波多野裕子ら、生活に潤いをもたらす品と出会えるだろう。

時代の名品をリプロダクトし未来へ受け継ぐ
FOUND OBJECT
店名はマルセル・デュシャンが提唱した「ファウンド・オブジェ(見出された対象)」という概念から。代表のイ・ギュウォンさんはもともとヴィンテージ店を経営しており、インテリアデザインに造詣が深い。製造が終了した名品に着目し、韓国の確かな製造技術を用いて復刻し広めたいと店を立ち上げた。
現在は、イタリアのジョエ・コロンボがデザインした〈ARNO GLASS〉とアメリカのジム・マクブライドによる〈FABRIK POTTERY〉の製造販売を行う。空間を手がけたのは、韓国で大人気の建築家CREATIVE STUDIO UNRAVEL。店では2つのブランドとそれに合うヴィンテージ品を選びプレゼンテーションする。時代を超えたデザインの融合を、その目で発見したい。

目と耳で楽しめるレトロ家電の世界
Lemon Seoul
「小さな頃に見ていたものや、生まれる前に作られたものに興味がある」と言うのは、70〜90年代のヴィンテージオーディオや電化製品を主に扱う〈Lemon Seoul〉のキム・ボラさんとユン・ジョンフさん夫妻。アパレルのデザイナーとして仕事する傍ら、趣味で集めていたヴィンテージオーディオをインスタグラムにポストしていたが、もっと多くの人に知ってもらおうと5年前に安国のビルの一室に開店した。
「私は80年代のソニーのウォークマンが好き。オーディオ製品は見た目も大事ですが、時代やメーカーによって出る音域が違ったりするので、ぜひ店で聴き比べていただけたら」とキムさん。レコードやカセットも多く取り扱うので、店で聴き比べてみよう。
