まず、お2人はどのようにジャズと出会い、プレーヤーとなったのでしょうか?
Jaeshin Park(以下J)
まず幼い時はJ-POPやロックが好きだったんです。その後音楽教室に通っていろんなジャンルを勉強する中でジャズを深く知るようになりました。20歳の頃から弘大(ホンデ)の〈Club Evans〉などのジャズクラブで毎週演奏するようになってからは、よりハマっていきましたね。兄さん(DOCSKIM)と出会ったのも、〈Club Evans〉で行われているジャムデーでした。
DOCSKIM(以下D)
アメリカで過ごした幼少期から日本のアニメがすごく好きだったのですが、『カウボーイビバップ』のサントラを聴いたことがジャズリスナーとしての始まり。『サムライチャンプルー』を観てNujabesを知ってからは、彼のような音楽を作りたいと思うようになりました。ただ当時はヒップホップやエモロックが特に好きだったし、ジャズプレーヤーとしては大学に入って友達からビル・エヴァンスを聴かされたのが始まりでした。
お2人はBTSのRMやSe So Neonのファン・ソユンのバンドでも演奏されていましたが、現在はどんなお仕事が多いですか?
J
Paul KimのバンドやK-POP関連が多いですね。兄さんと一緒にやったTiny Desk ConcertのRMのライブは忘れられない経験でした。
D
韓国に来てからはまずシンガーソングライターのソ・テジのバックでキーボードを演奏しましたし、その後プロデューサーのPdoggに誘われてBTSなどの楽曲のプロデュースもするようになりました。
プロダクションについてはどのように勉強されたのでしょうか?
D
YouTubeです。グラミー賞を受賞したプロデューサーが解説してくれる動画とか勉強できるものがたくさんありますから最高ですよ。ピアノにハマったのと同じくらい夢中になればプロデューサーになれるのでは、と思いましたね。
お2人をはじめ韓国ではジャズミュージシャンのK-POPなどメジャーシーンとのコラボが増えていますが、その背景にはどんな変化があるのでしょうか?
D
昔の歌手たちってただ現場に来て歌って帰るだけの人が多かったんですよ。でも最近は現場に最初から一緒にいて、演奏について意見をくれたり、コードとかメロディ、楽器のポジションに対する自分の考えを持っている人が増えています。演奏者と何かを一緒に作っていこうと思ってくれているんだと思います。以前なら大衆向けだから無難にやろうとなることも多かったんです。
J
ファン・ソユンのTiny Desk Koreaのライブを例に挙げると、彼女はメンバーを集める時、知らない人にもどんどん声をかけていました。Instagramでディグしているんだと思います。バンドメンバー同士はほとんどが初対面でしたが、ソユンの頭の中で想像していたものがあったはずです。プロデューサー的なマインドがある人が増えていますね。
シーンのこれからについては、どんな期待をしていますか?
J
韓国でも先輩だからとかじゃなくて、本当にミュージシャンとしてリスペクトできる人が増えてきました。例えば個人的にはJK Kimも、ピアニストのカン・ジェフも、まだまだたくさんいますが、本当にかっこいいです。そう考えると、ジャズシーンは良くなりましたね。
D
未来がとても明るい気がします。韓国のジャズシーンを完全に変えてしまうような、新しいものを作れる人がたくさん出てきました。
2人が選ぶ、韓国の新しい名盤
Jaeshin Park
DOCSKIM