——〈무비랜드 Movie Land〉はどういう経緯で設立されたのでしょう?
もともと僕(モチュン)はある会社でキャラクターブランドのデザインを担当していました。その時に出会ったソホと一緒に、働きながら面白いことをしたいと思い、〈모베러웍스 MO BETTER WORKS〉という会社を立ち上げたんです。
その会社はジョークのようなメッセージをブランド化して販売する企画会社のようなもの。洋服を作ったり、本を作ったり、オフラインのイベントを作ったりもしています。働く人たちがこのメッセージを見て、愉快な気分になれたらいいなと思いながらやっています。
〈모베러웍스 MO BETTER WORKS〉が発展していく中で、このブランドの器になるようなものが欲しいと思い、劇場を造ろうと。映画館とはいっても、単に映画を上映してそのストーリーを伝えるだけではなく、映画の周辺にあるものも含めて一つのメディアのような感じで、機能したらいいなと思っています。
——映画が好きだから映画館という考え方だったわけではないのですね。
もちろん2人とも映画好きですが、一番大事にしているのは「物語」です。それは〈모베러웍스 MO BETTER WORKS〉で販売するものもそうですし、ブランドのストーリーをドキュメンタリーの映像としてすべてYouTubeにアップしていて。その「物語」も皆さんと共有したいと思っています。
——映画館を造るうえで何かモデルになったものはあったのでしょうか?
映画館を造るうえで参考にしたのは、映画館ではなく実は図書館でした。図書館は、幅広いコンテンツを扱っている場所でもあるし、本がずらりと並んでいる中に入ると自然と一人になれる。すごく大きなスペースなのに一人になれる場所って面白いなと思いました。
——映画を好きになったきっかけは?
僕(モチュン)は大学を卒業した後、会社に就職する前に少しだけフリーランスで活動していました。でも当時はキャリアもなかったので、あまり忙しかったわけでもなく、家にこもって映画ばっかり観ていて。その中で大きなインスピレーションを受けました。映画の中にはたくさんのデザインが出てきますし、人間関係や人生についても学びました。
——どんな作品からインスピレーションを受けたのでしょうか?
昨年2月に〈Movie Land〉をオープンしたのですが、最初は自分たちが好きな作品をキュレーションしました。『ゴッドファーザー』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『犬ヶ島』と『大酔侠』(日本未公開)です。
——最初の3作は納得ですが、最後の1本は聞いたことありません。
半世紀以上前の香港映画です。こういう映画館で上映する映画というのはおしゃれだと思われるかもしれませんが、僕(モチュン)はそういう映画よりも少しユルいというかB級感のある映画も好きで。この劇場はシネフィル向けの映画館ではなく、僕たちが面白いと思っている映画の世界を一緒に楽しんでもらいたいと思っています。
——この映画館は毎月様々な職業のキュレーターが立ち、映画をセレクトするのが特徴です。キュレーターはどのように選んでいるのでしょうか?
基準は特にありませんが、ご自身で言葉や物語を発信されている方にお願いしています。毎回キュレーター自身の物語が映画のセレクトに反映されるのが面白い。また、幅広い職業の方に参加いただいているので、デザイナーだったら映画のデザインに目をつけたりと、その職業ならではのセレクトになるのも面白いですね。
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今の韓国を定点観測するためにチェックすべき人
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〈Fritz coffee company〉主宰。世界から直輸入したコーヒーを販売し、ソウル市内に4店舗を展開、オンラインでも販売。伝統的な「韓屋」のスタイルやハングルをデザインに積極的に取り入れる。「コーヒーというのは基本的に海外のものですが、〈Fritz coffee〉では韓国独自のコーヒースタイルを提案していて面白い」。Instagram:@bkwashere
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Shin HaeokとShin Donghyeokによるデザインスタジオ。2008年より活動を始めアートとカルチャーの分野で活躍。ソウル市立現代美術館(SeMA)、国立現代美術館(MMCA)等の美術館のデザインも多い。大学で教鞭を執りながら学生との自主プロジェクトも多数行う。20年には出版社〈Hwawon〉を立ち上げた。Instagram:@shin_of_shinshin
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1991年生まれのコメディアン、YouTuber、俳優。登録者数176万人を誇るYouTubeチャンネル『빠더너스 BDNS』を主宰。俳優としてはドラマ『D.P. −脱走兵追跡官』や『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』等多数出演している。2024年にはエッセイ集『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(私が言ったことを私が誤解しないことにする)』を出版。