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リニューアルした本麒麟の秘密を、クイズプレーヤー・伊沢拓司が紐解く

2018年3月に発売して以来毎年リニューアルを重ね、進化し続ける本麒麟が2022年もリニューアル。日頃からビール類を愛飲しているクイズプレーヤーの伊沢拓司さんが、キリンビール商品開発研究所の醸造家・大橋優隆さんを直撃。リニューアルを重ねるごとに進化する、本麒麟のうまさの秘密に迫る!

sponsored by KIRIN

photo: Masanori Kaneshita / text: Chisa Nishinoiri / styling: Ayano Otaki / hair&make-up: Yuri Kitahara

目指したのは、デイリーで飲みたくなる相棒

伊沢拓司

発売以来、僕も本麒麟のファンなのですが、はじめて飲んだ時から、新ジャンルもここまできたか!と感動しました。そもそも、本麒麟が目指すうまさとはなんですか?

本麒麟を飲む伊沢拓司
「このホップ感!ワクワクするような香りですね」

大橋優隆

お酒は嗜好品である以上、なにを“うまさ”と感じるかは、究極的には人それぞれですよね。ホップが全面的に香るビール類は、パンチがあるけどちょっと玄人向けかな、とか。ライトに飲めるものもいいけど、ちょっと物足りないかな、とか。

ドイツでは、ビール醸造に関する哲学のひとつに「バイタートリンケン」という言葉があるんですが、「飲み飽きることのない味わい」という意味です。

本麒麟が目指すのは、デイリーユースしてもらえるような、飲み飽きないバランスの良いうまさ。どんなシーンにも、料理にも合わせやすい、まさに「バイタートリンケン」なビール類です。

伊沢

「飽きのこないうまさ」。言うは易しですが、インパクトを追求するよりも難しいように思います。その上で毎年リニューアルを重ねるのは、すごい努力ですよね。

大橋

はい。毎年全力を出し切っています。その上で、今年はどうやってうまくしようかとドキドキ半分と不安半分です(笑)。本麒麟らしさを追求する上で、私の中に“外しちゃいけない3本柱”というのがあります。

「質の良い苦味」、「デイリーな飲みやすさ」、「力強い飲みごたえ」。その解釈をさまざまな角度から表現してくわけですが、その際に指針になるのが、お客様の声です。迷った時には、常にお客様の声に立ち戻るようにしています。

伊沢

世情やトレンドと関わり続けるのは、ビール業界のサガでもありますよね。消費者目線では、うまいのは当たり前で、より安くより良く、みたいにどんどん要求が増してしまいます。今回のリニューアルでは、どんなチャレンジがありましたか?

大橋

一番追求したのが「飽きのこないうまさ」ですが、飲みやすさと飲み飽きない味わいを両立させ、バランスを整えていく作業は大変でしたね。

その味覚の実現のために、「キリンホールディングス飲料未来研究所」と協働し、本麒麟では初となるデコクション製法を採用しました。

伊沢

デコクション製法とはなんですか?

大橋

うまいビールをつくるための大事な要素のひとつに糖化という工程があります。デコクション製法では、麦芽を糖化させるときに2つの仕込釜を用いて、それぞれ異なる温度で煮込みながら徐々に麦芽糖をつくっていきます。

一方の釜は高い温度で煮込むため、飴色玉ねぎやデミグラスソースのようにコクのあるふくよかなうまみが生まれます。釜を別々に温度管理し、最適な糖化管理を行う、とても手間のかかる作業です。その時参考にしたのが、コーヒー豆の焙煎です。

焦げてしまわないちょうどいい温度と強度、雑味がでないような適切な時間に辿り着くまでに、「飲料未来研究所」が40を超える試験区分で試行錯誤を重ねました。これにより、マイルドなコクとふくよかな飲み心地を実現できました。

伊沢

ビール類も原料の煮込み方の違いで、コクや深みが変わるなんて、少し意外でしたね。

大橋

はい、そして”飲みやすく飲み飽きない”味わいを両立させる点で、副原料の比率も重要なんです。副原料=混ぜ物というネガティブなイメージを持たれがちですが、実はコーンなどの副原料を使うことで、スッキリした後口を実現できるんです。

そしてホップはキリンが伝統的に使い続けている、良質な苦みが特長のドイツ産ヘルスブルッカーホップを増量しています。ホップはビールの魂であり、香味のキャラクターを形作る上で必要不可欠です。

ヒノキやハーブのような香りがあるヘルスブルッカーホップは、冷涼感を感じさせる成分が含まれていて、本麒麟の後締まり感とも相性がよく、涼やかな印象を出してくれます。

手間を惜しまず、理想の味わいを実現する

伊沢

僕は、プシュッと缶を開けた瞬間から漂う、本麒麟の香りがすごく好きなんです。秘密はヘルスブルッカーホップだったんですね。ある意味、キリン伝統の香り! 

今回お話を聞いていて、僕が一番気になったのが、“飽きのこない飲みやすさ”を追求する中で、何をもってその味わいを“飽きなさ”として落とし込むのか、という部分。

”飽きさせないこと”を仕組みとして取り込むのって難しいと思うんですが、明確な指針のようなものはあるのでしょうか?

開発メモを見ながら語る伊沢拓司と醸造家大橋優隆
門外不出の醸造家の実績ノート。試行錯誤の変遷、試飲時の味覚評価が事細かに記された内容に、伊沢さんも興味津々。

大橋

味わいには、口に含んだ瞬間から飲み終わるまでの時間の経過と共に変化する“味わいの流れ”があると考えています。試作をするたび、それを私は自分の実験ノートの中にメモしているんですが、正弦曲線の波形のようなイメージです。

口に含んだ瞬間に発酵由来の香りが立ち上がり、次いで麦のコクや飲みごえが広がり、飲み終わりは爽やかな苦味で引き締める。

この最後の引き締めがスッキリとした後口を、爽やかなホップの香りが余韻を残し、次のひとくち、次のひとくちと飲み進めるたびに新鮮な味わいとなり、飽きさせない。ひとくちごとに抑揚のある美しい曲線を描くのが、理想のイメージですね。

伊沢

なるほど!麦の甘みを感じながら後味はスッキリ、そして香りが余韻として残る。波形を思い浮かべると、味わいのイメージがすごく伝わりますね。本麒麟は、このバランスが見事。

飲み進めるたびにホップが爽やかに香るから、すぐまた次のひとくちが飲みたくなる。

“飲みやすく飲み飽きない”うまさに秘められた想いや哲学、そこに辿り着くまでの試行錯誤を知ってから飲むと、ますますうまく感じますね。これから本麒麟を飲むときは、大橋さんの顔を思い浮かべながら飲みます(笑)

キリン本麒麟
STOP!20歳未満飲酒 注意書