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新生〈KENZO〉についてNigoさんに聞く

2022年1月、新生〈KENZO〉は、故・高田賢三氏のパリの思い出の地〈ギャラリー・ヴィヴィエンヌ〉にて鮮烈なデビューを果たした。手がけたのは日本を代表するデザイナーのNigo。“REAL TO WEAR”をテーマに掲げ、今季注目のコレクションを作り上げたNigoさんに、〈KENZO〉での取り組みについて聞いてみた。

text: BRUTUS

2021年9月にアーティスティックディレクターへ就任したNigoは、〈KENZO〉のアーカイブを徹底的に研究し、高田賢三氏に敬意を表した懐かしいグラフィックやデザインをモダンに昇華させた。さらに特徴的なのが、どのアイテムも実際に着やすそうな「リアルクローズ」であること。“REAL TO WEAR”をテーマに掲げ、今季注目のコレクションを作り上げたNigoさんに、〈KENZO〉での取り組みについて聞いてみた。ストリートウェアの雄がモードの世界を席捲する。

新生〈KENZO〉のランウェイでは、実際に着やすそうなリアルクローズが多く見られましたが、どのような狙いがあったのでしょうか?

Nigo

最近のショーは作品的なイメージのものが多いと感じていたので、ショーを見て、欲しいと思ったものが実際に買えるよう、REAL TO WEARをテーマにデザインしました。

ファーストコレクションの制作にあたり〈KENZO〉のアーカイブを多く見られたかと思います。それらはヴィンテージに造詣の深いNigoさんの目にどう映りましたか?

Nigo

自分がリアルに体験していた〈KENZO〉は1980年代以降でした。それ以前、つまり70年代の作品は目にしたことがなく、ショーのインスピレーションになりました。

高田賢三さんのデッサンをグラフィックとして活用したり、ブランドへの敬意に溢れたコレクションであると感じましたが、そこへご自身の“らしさ”を加えるうえで意識されたポイントはありますか?

Nigo

特に意識した部分はありませんが、結果自分らしいコレクションになりました。そこは完全に自然体です。

実際にパリでもの作りをされる中で、優れていると感じた点、反対に苦労している点(日本やアメリカと異なる点)を、具体的に教えてください。服作りについての、新しい発見は、何かありましたでしょうか。

Nigo

今までの自分のやり方とは、完全にプロセスが逆でした。今までは、デザインを決め、生地を決め、色を決める順番でしたが、パリでは、色を決め、生地を決め、デザインをします。ファーストコレクションはスケジュールもタイトで、なかなかチームとも噛み合いませんでしたが、セカンドコレクションからは互いのことも理解し、スムーズに事が進みました。

〈KENZO〉アーティスティックディレクター・NIGO