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加速する新生〈ジャガー〉の独創性、アオイヤマダ、河村康輔と共鳴するクリエイティビティ
photo: Koh Akazawa / text: Junya Hirokawa / styling: Yui Sawada (Aoi) / hair & make: Tori (Aoi)
ただ中にあるブランド革新の象徴であり、次世代の〈ジャガー〉のデザインを示したデザイン・ビジョン・コンセプト〈TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)〉。2025年5月、東京でアジア初公開となった〈TYPE 00〉と対峙した2人のアーティストが感じた、新生〈ジャガー〉のクリエイティビティとは?

2024年12月にアメリカのマイアミ・アート・ウィークで世界初公開を果たし、その独創的なデザインによって多くの反響を集めたジャガー〈TYPE 00〉。ガソリンではなく電力で走るEVのデザイン・ビジョン・コンセプトだ。
そんな、新生〈ジャガー〉のブランドアイデンティティを体現するロングノーズ&ショートデッキの2ドアクーペが2025年5月、ついに日本に上陸した。
お披露目の舞台となったのは、近年、様々なアートイベントや展覧会が催されている〈寺田倉庫〉(東京・天王洲)。
インスタレーションを手掛けたのは、アーティストのYOSHIROTTENさん。日本を代表するクリエイターとのコラボレーションによって、ブランドの新しいビジョンをコンセプチュアルに表現した。
光と、音楽プロデューサーのChaki Zuluさんによる音、そして、〈TYPE 00〉の象徴的なデザインエレメントである「Strikethrough(ストライクスルー)」からインスピレーションを得た映像演出によって、空間全体でブランドの世界観を強く示している。






モダンラグジュアリーを表現した、ピュア&独創的なインテリアデザイン
〈TYPE 00〉は、インテリアデザインも独創性に富んでいる。一貫してピュアでありながら、前後方向に向かって伸びる直線的なデザイン表現によって空間に広がりを演出。長いホイールベースと相まって、居住性の高さに貢献している。
運転席は独立したキャビンのよう。スイッチ類を排除したダッシュボードは、タッチパネルは必要なときにだけ現れる収納式。ステアリングを手にするドライバーのモードを切り替え、落ち着いて運転に集中することができる特等席を用意している。
ひときわ独創的なのがその素材使い。エクステリアの「leaper(リーパー)」に用いた真鍮をインテリアにも取り入れ、センターコンソールには石材を採用。これまでのカーデザインには使われなかったマテリアルを大胆に取り入れた。
レザーやウッドを使ったラグジュアリーなインテリアとは一線を画す、新生〈ジャガー〉が打ち出すモダンラグジュアリーを見事に体現している。
1922年にイギリスでウィリアム・ライオンズとウィリアム・ウォーズレイが創業したスワロー・サイドカー・カンパニーを前身とする〈ジャガー〉は、イギリス王室御用達としても知られる。ラグジュアリースポーツの先駆けとして知られる〈XK120〉や世界初のスーパーカーとも称される〈XKSS〉、「世界で最も美しい車」と評された〈E-TYPE〉など、数々の名車を世に送り出してきた。
1950年代からはモータースポーツに参戦し、フランスのル・マン24時間レースなどで活躍。現在もEVのフォーミュラカーレース〈フォーミュラE〉に参戦し、そこで培った技術力を市販車の開発に還元している。
〈ジャガー〉は今後、ピュアEVブランドへとシフトする。〈TYPE 00〉はその象徴であり、EVの常識を覆す独創的なデザインを採用したデザイン・ビジョン・コンセプト。〈ジャガー〉のクリエイティブな哲学“Exuberant Modernism(活気あふれるモダニズム)”を体現し、今後のデザインの方向性を指し示す。
〈TYPE 00〉の独創性の源は、創業以来継承してきた「なにもののコピーではない」を意味する“Copy Nothing”というブランドの哲学にある。
“Copy Nothing”に共感する、2人のアーティストが〈TYPE 00〉に感じた「生命」「未来」



「未知の生命体に遭遇したような感覚。動物のような生命力を感じて、少し緊張しました」と語るのはアオイヤマダさん。東京2020オリンピックの閉会式でのパフォーマンスに加え、俳優や楽曲制作など、ジャンルや形式を超越した活動を続ける表現者だ。
「その皮膚というかボディのフォルムがすごく美しくてなめらか。ツルンとサランとしていて、触れてみたいという好奇心も湧きました」と続ける。
その他、エクステリアデザインに感じたのが研ぎ澄まされたピュアな造形。自身の表現においても、シンプルや引き算が難しいと感じているそうだ。
「以前陶芸をやったことがあって、味がある曲線みたいなものは出しやすいんですが直線をつくるのは難しいんですよ。踊りや音楽もそう。シンプルこそが一番難しい」
そしてそれは、表現者として目指すところだという。
「お能って、顔の角度だけで喜びや悲しみを表現しますよね。引き算して、最小限の情報量でインパクトを強く伝えること。今後、表現活動を続けて行く中で、研ぎ澄まされた美しさに辿り着ければ」
ムービーの撮影での身体表現は完全なるアドリブだったとか。光と音、映像演出によって変わり続ける空間で〈TYPE 00〉に対峙し、身体が自然と動き出した。今しか見ることができない光景に、表現者として文字通り没入。車体に込められた哲学に共鳴する形で、自身のクリエイティビティが引き出された瞬間だ。
「目の前に〈TYPE 00〉がいて、光と音楽の空間演出もあって。パフォーマンスをしようとしたわけではなく、あの空間に立っていたら身体が先に動き出していました」



「その形に、未来を感じました」と語るのはコラージュアーティストの河村康輔さん。代表作とも言えるシュレッダーを用いた独自手法のコラージュはミニマルかつアイコニック。近年、活躍の場を海外にも広げている。
「小さいころから刷り込まれてきたような未来感のある形が、実在することが純粋にすごいと感じました。さらにそれが、空間演出によって現実と空想の間にあるような感覚も。リアルな世界とCGの世界を行き来するような不思議な体験でした」
そこに、自身の作品との共通点を見出した河村さん。得意とするコラージュは、様々な素材を組み合わせて新しい表現を生み出す手法。素材自体はすでに世の中にあるものの、それらを自らの感性でセレクトし、組み替えることで新しい世界をつくり出す。
「自分もいつも、現実と空想の世界との狭間にある世界観をつくっていると気付かされました」
作品づくりにおいて、河村さんが重視しているのが「気持ちいい」という感覚。普段から、目にした雑誌のページや街なかで見かけた看板などをコラージュの素材として捉え、常に、自分なりの気持ちいい組み合わせや配置について、頭の中で考え続けているという。
「これとこれを組み合わせたら気持ちいいだろうなって。四六時中、ずっとパズルをしているような感覚ですね。頭の中で描いた組み合わせを誰かに見てもらいたくて、作品としてアウトプットしているようなところもあります」
車体の周りを歩き、特に「気持ちいい」と感じたのが、リアのタイヤハウス。直線的な面と面がつながるエッジに目を奪われて、つい立ち止まった。
「一見シンプルだけど、エッジーで滑らか。そこに光があたってボディカラーの濃淡が色濃く出ていましたね。シンプルさと深い表現という相反する要素を備えた表現は彫刻的でもあり気持ちいい。いつまでも見ていたくなりました」
特別な空間の中で、そのデザインに触れた2人のクリエイターに様々な感覚を呼び覚ました〈TYPE 00〉。ブランドの根底に流れる“Copy Nothing”という哲学を具現化したデザイン・ビジョン・コンセプトは、〈ジャガー〉というブランドだけでなく、カーデザインやEVそのもののデザインも再定義するような、クリエイティビティに満ちた、革新的なデザインに仕上がっている。