器好きなら一度は訪れたいあの町へ。
960号「人生変えちゃう、一泊旅。」で、愛媛県の砥部町へ出かけたギャラリストの伊勢春日さん。
お目当ては、柳宗悦やバーナード・リーチなど民藝のレジェンドも愛した白磁「砥部焼(とべやき)」だ。窯元を巡り、職人と会話を交わし、色や手触りを何度も確かめて。真剣に選んだ10数枚と帰京してからはや1ヵ月。
旅も面白かったけれど、器は使ってからが本番!旅先で買った大皿や鉢をどう楽しんでいるのか聞いてみた。伊勢さん、毎日の食卓は変わりましたか?
サラダも刺身も華やかになる。
〈梅野精陶所 梅山窯(ばいざんがま)〉の七寸切立(きりたて)丸皿
「砥部焼といえば、白磁に手描きされた藍色の唐草模様が特徴ですが、このお皿はそこへ赤いラインを効かせているところがいいんです。サラダやお刺身、揚げ物などのシンプルな料理も華やかになるし、テーブルの上も引き締まる。そして、気に入っているのが絶妙な形と使いやすいサイズ感!日常使いにぴったりです」
ミモザサラダを盛った皿は直径約21cm。縁の立ち上がりと赤いラインが、いつもの料理をおさまりよく見せる。
梅野精陶所 梅山窯(ばいざんがま)
住所:愛媛県伊予郡砥部町大南1441 | 地図
TEL:089-962-2311
営:8:00〜16:50
休:不定休
HP:https://baizangama.jp/
格好よくなりすぎずに料理を格上げ。
〈長戸製陶所 陶彩窯〉の飴釉八角皿と白磁輪花豆皿
「真っ黒な大皿は初めてだったので、使いこなせるか不安もありつつ購入。ところが!使い始めたら、黒というより飴色を感じさせる色合い。珍しい形や縁取りなど高級感もあって、他の器との相性もいい。格好よくなりすぎず、料理を格上げしてくれるんです」。
写真は、豚バラ肉でたっぷりのクレソンを巻いたものを、昆布の効いた出汁でしゃぶしゃぶにしてポン酢でいただく“クレソン鍋”。一緒に買った白い豆皿は塩入れに。
「黒の大皿はお鍋の具材を置くのにも重宝するし、餃子やちぢみなど、たくさん並べる焼き料理にも使いたい。想像以上に便利なことがわかったので、もっと欲しいですね」
長戸製陶所 陶彩窯
住所:愛媛県伊予郡砥部町五本松196
TEL:089-962-2123
営:9:00〜18:00
休:不定休
HP:http://www.tousaigama.com/
ソファでだらだら過ごす日のよき相棒。
〈白青〉のくらわんか碗どんぶり
高台が大きい「くらわんか碗」は砥部焼の定番だが、その“どんぶりサイズ”を発見して迷わず購入した伊勢さん。
「安定感がとっても良く、ソファでだらだらしながらお菓子やおつまみを食べるのに愛用しています。シチューなどの汁物をガシガシ食べても安心。ぷっくりとした厚みと、シンプルで研ぎ澄まされたデザイン。潔い真っ白も格好いいんです」
白青 WHITE/BLUE
住所:愛媛県松山市柳井町1-2-10 1F
TEL:089-948-8450
営:12:00〜18:00
事前予約制。
HP:https://shiroao.jp/
“良いクセ”のある柄ものが、どんな料理も主役級に。
〈西岡工房〉の赤絵・金彩の八寸皿と六寸皿
「なんといっても赤と金の派手な柄が最高。主役級の存在感が出るんです。色味の多いお料理にもぴったりだし、ほどよい深さもあるので汁物にも使えます」
「普通とはちょっと違う“良いクセ”のある柄ものは、使ってみるとどんな料理にも合う。日々“意外といけちゃうな!”の連続です。それに、お皿が強いと、なんてことない料理もおいしそうに見えて、助けられることが多いです。アートもそうですが、どんな額に入れるかで作品の印象って変わってくる。何通りも正解があると思うので、楽しみながらいろんな組み合わせに挑戦したいです」
西岡工房
住所:愛媛県伊予郡砥部町五本松51
TEL:089-962-5477
営:9:00〜12:00、13:00〜17:00
休:日曜日