モードな虫図鑑。Weevil【ゾウムシ】

photo: Tetsuya Ito / text: Shogo Kawabata

もう、「なぜ⁉」の嵐だ。どうして、そんなふうになろうと思ったのか。人知を軽く超えていくその御姿を前に、我々はただ、その真理に思いを馳せるしかない。虫ってほんとに素晴らしい、あゝ。

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象の鼻のような突起を持つ、昆虫界の一大勢力

ゾウムシの種類は昆虫界でもずば抜けて多く、推定20万種いるともいわれる巨大グループ。まるで象の鼻のように伸びた突起は口吻(こうふん)(頭部の口にあたる部分)であり、この長い口吻は、産卵の際に、樹木や種子に卵を産みつける穴を開けるために進化したものが多い。

ヒョットコヒゲナガゾウムシ
Systaltocerus platyrhinus


赤い顔に伸びた口、ひょうきんな印象のヒゲナガゾウムシ。カミキリムシのような長い触角を持つ。頭部の赤色は褪色しやすく、きれいに残っている標本は少ない。コロンビア産。標本体長10.8㎜。
クチナガクモゾウムシ
Mecopus serrirostris

クモゾウムシの仲間は倒木に集まり、ハエのような動きで俊敏に飛び回っている。触角が極めて長い口吻の前方についているのも非常にユニークだ。インドネシア・ミソール島産。標本体長25㎜。
ケンランヒメゾウムシ
Eurhinus cf. festivus


中米〜南米に分布する美しいゾウムシ。メタリックな体色を持ち、この個体はサファイアのような深い青色をしている。豆粒のような寸詰まりの体も愛らしい。ボリビア産。標本体長12㎜。
ワイパーオサゾウムシ
Cercidocerus cf. indicator


まるでワイパーやパラボラアンテナのように、触角の先端節が大きく肥大するオサゾウムシ。細い口吻に巨大な触角という、不思議なアンバランスさが魅力的。ベトナム産。標本体長23㎜。
シロテンウシヅラヒゲナガゾウムシ
Exechesops cf. wollastoni


まるでネズミの耳のように張り出した部分は、実は複眼で、シュモクザメの頭部のようになっている。ウシヅラヒゲナガゾウムシの仲間は木の果実をかじって産卵する。フィリピン・ミンダナオ島産。標本体長6.5㎜。

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