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水槽に熱帯雨林の景色を作り、愛でる。LED栽培の愉しみかた〜パルダリウム編〜

ガラスの水槽とLEDライトを組み合わせ、熱帯や湿地帯の植物を育てるパルダリウム。その楽しみを国内外に広めた〈ADA LAB〉を訪問。水草や自然石を使ったみずみずしくも大胆な景色の作り方と、手入れ法を教わった。

本記事は、BRUTUS「珍奇植物」(2025年5月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Tetsuya Ito / text: Masae Wako / edit: Shogo Kawabata

水槽に熱帯雨林の景色を作り繁茂していく姿を愛(め)でる

ガラスの水槽内に、湿地帯の植物や石を組み合わせて景色を作るパルダリウム。光合成に適したLED照明を使う栽培法は、室内のどこでも楽しめるため、インテリアの新たなジャンルとしても大人気だ。そんなブームを牽引するのは〈ADA LAB〉。梅田店店長の吉田壮佑さんは言う。

「植物によって適正な光量や湿度への耐性が違うので、それらが似たものを組み合わせるのが大事」

今回は高さ25㎝のスクエア型水槽を使い、実際に作ってみた。植物は、エキゾティックかつユニークな造形が魅力の食虫植物をメインに選び、水草やコケ、表面に凹凸のある黄虎石(おうこせき)を合わせることに。

「水槽にソイルを敷き、石を並べて景色のベースを作り、そこへ植物を植えていく……というのが全体の流れです。景色作りのコツは2つ。一つは前景・中景・背景を意識して配置し、小さな空間に奥行きを感じさせること。もう一つは、植える位置や角度を揃えすぎないようにして、本来不均一な自然界の景観に近づけること」

さらに肝心なのは風景をより良く保つ手入れ法だ。基本はLEDの光を1日8時間ほど当て、2、3日に1回は散水、換気をする。

「水生植物は想像以上に育ちが速いので、剪定頻度が少なくて済むものを選んでおくのも手。自分が作った小さな世界の中で、本物の植物が健全に茂っていく。日々手入れしながらその姿を眺めることも、パルダリウムの魅力です」

〈ADA LAB UMEDA〉で作ったパルダリウム。LEDを使ったオリジナルのマグネットライトと専用スタンドを使ってスマートに照射中。

パルダリウムの作り方

準備するもの

パルダリウムの管理方法

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