居場所と動線を考えて飾る位置を決める
「アートを設(しつら)える最適な位置を見極めるには、室内での自分の行動を再確認することが大事」と伊勢春日さん。例えば、大好きな作品はいつも座るソファからよく見える位置に飾る。あるいは窓辺など、一日に何度も目を向ける場所に置く。壁に掛ける時は、作品と同サイズに切った紙をテープで仮留めし、一歩離れて眺めながら高さを決めると失敗しない。
POINT 1 窓辺に白いものを集める
室内にアートやモノが多い場合、どこかにまとまった余白を作ることで、一点一点のアートもすっきり見える。この部屋の余白は窓。「もともと抜けのある窓辺に白い作品を並べることで、開放感を保ったままアートを楽しめます」。右は石膏デッサンの模型、蛇腹のオブジェはTOSHIKI。
POINT 2 座った時の目の高さに
ギャラリーなどでは床から155~160cmの高さを基準に飾るといいといわれるが、「ソファや椅子で長く過ごす人は、座った時の目の高さにも合うよう“やや低めの位置”に飾ると落ち着きます」。奥行きの浅い棚に置いた作品は、加賀美健のドローイング。その左はTOSHIKIのオブジェ。
POINT 3 植物の背景にする
「作品自体は好きなのに、部屋に飾ると主張が強すぎる……という時は、観葉植物の背景に置くと馴染みます」。額装したオレンジ色のポスターは、〈Brain Dead〉のファウンダー、アーティストのエド・デイヴィス作。植物の鉢は高さの違うスツールに載せ、アートの見え方をバランスよく調整。
POINT 4 マスキングテープで飾る
「時には小さめの作品やポスターなどをマスキングテープで貼ることも。剥がしやすく、気分で飾り替えるのも楽なんです」。
POINT 5 ラフな作品を額で特別に
額によってアートの印象も変わる。中央は加賀美健。「薄紙にササッと描かれたカジュアルな作品を、あえてゴージャスなゴールドの額に入れました。ギャップも楽しんでます」。髙田唯のグラフィカルな切り絵(右)は黒い額で引き締め、山川哲矢の写真(左)は色を引き立てるシルバーの額に。