チームでイメージを共有するのに、
この上なく便利で実用的なツール
料理家の山田英季さんは、BRUTUS.jpの連載や、雑誌やテレビなどの仕事以外にも、イベントや、日本全国の飲食店のプロデュースを手掛けている。例えば、店のコンセプト作りから携わる仕事などは、内装からメニュー表、レシピなど、総合的に関わる。オーナーや施工会社など、大勢でチームを組んで動くとなれば、テーマとなる言葉の軸を持ちつつも、それを肉付けるイメージの共有がとても大事になってくるという。
山田さんのアカウントを見ると、他人から見られないようにロックしたものを含め、何十ものボードが並ぶ。飲食店の「インテリア」のアイデア用のボードには、なんと1200超のピンがストックしてある。その多くは誰かの家だったり、インテリアのコーナーや壁のイメージの集積だ。
「例えばケータリングの仕事だったら、ギャラリーの展示風景などを検索してみます。“このエキシビションに並ぶ作品が、全部料理だったら面白そうだな”など、まったくの別ジャンルからの置き換えで、フレッシュなアイデアを固めていきます。最終的に作りたいものズバリを検索したらただの模倣になるし、面白いものは生まれないのでやりませんね」
ご両親がアパレルの仕事をしていたこともあり、子供の頃から家には生地見本などが普通に置いてあったそう。当時も、たくさんの中から自分好みの何かを見つける作業が楽しくて、いまも一括りに集まっているものを見比べるのが大好きだという。
使うほどに価値は高まる。
レシピ開発にも初挑戦
「Pinterestは、使えば使うほど便利。例えば、ボードが増えたら偶然の出会いを保存しやすくなるんです。ある目的を持って検索しているときに、別の仕事で使えそうなピンが突然出てくることがよくあって。そうしたら、あらかじめ作っておいた別のボードに、簡単に仕分け保存ができるんです。あっという間にアイデアのストックが増えていきますよ」
山田さんの会社and recipeは、「旅と料理を通じて人を幸せにする」ことがテーマ。でも、ここ数年は動きが制限され、旅先でインスパイアされる機会が減ってしまった。普段、レシピ開発にはPinterestを活用したことがなかったが、今回は大好きな海外のストリートフード食べ歩きが恋しくなったということで、一念発起。連載「週末の酒がうまい BRUTUSの聞くレシピ」のために、ピンタレストを使った新規メニューを特別に開発してもらった。
しばらく触ってきて実感したことは、ヒット数が多い英語での検索が有効ということ。また、料理を調べて感じたのは、本場の情報が欲しい場合、例えばイタリア料理なら“Penne all'Arrabbiata”とイタリア語で検索したら、より濃い情報に辿り着くということ。逆にメジャーなキーワードでヒット数が多い結果を意識すると、思ってもいない新しいイメージに出会う確率が増すなど、メリハリを効かせながら、検索の可能性を広げたという。
「今回のメニュー開発では、食べ歩きイメージなので、“one hand food”と入れたら、意外とパーティメニューが目につきました。次に“street food”と検索をしたら、サモサや小籠包、たこ焼きなど包む系の食べ物が出てきます。でも、何か物足りない。世の中にない、注目に値するメニューを作りたいと思ったんです。
そこで発想の転換です。“ワンハンドで食べることのないものをあえて手持ちに”と考えたんです。もう一度“food”という広いジャンルに広げて見渡してみると、麺類が目についたんですよね。そこで、クリーム系のパスタなら、カニクリームコロッケ的な発想で作れる!という着地点が見えてきて出来上がったのが『ホタテのレモンクリームパスタコロッケ』なんです」
最後に、こんな実用的なアイデアも教えてくれた。「献立考えるのが面倒だなぁと思って冷蔵庫の野菜室を見ると、食材だけが1種類だけ多く残っていたりするじゃないですか。良いアイデアも浮かんでこないときは、「TOMATO」「SOUP」とか検索してみるんですよ。そうすると、トマトを使ったあらゆるスープ料理のイメージが出てきます。初めての料理がレシピ付きで見つかったりして、本当に便利なんですよ。
もっと楽しくクリエイティブに
Pinterestのある暮らし
新しいイメージやインスピレーションを求めて、検索窓に気になる言葉を入れたら、魔法のように出てくる画像や映像の数々。世界中から集めたアイデアはボードに分けてストックしたり、さらにズームイン検索でより精度高く絞り込んだり。想像を遥かに超えるビジュアル検索は、あなたを新しい世界に誘ってくれます!アプリをインストールするのがおすすめ。