火起こしから楽しむプライベートサウナ
東京都檜原村は、都心から1時間ほどの距離。そんな檜原村に、会員制のキャンプ場〈HINOKO TOKYO〉がある。会員になるには、事前のレクチャーで自然や施設を大切に使う方法を学ぶ。ウェイティングリストには約3000人が名を連ねるほど、関東圏のキャンプ・サウナ好きが注目する、1サイト1日1組限定のキャンプ場だ。
特徴的なのは、火起こしから自分たちで行うプライベートサウナ。温度調整もロウリュウも、すべてもちろん自分たちで。サウナと、施設の目の前を流れる秋川とを往復しながら、雄大な自然を体験できるのだ。
着火剤となる杉の葉を拾い集め、薪を割り、火を起こす。檜原村の森の中での深呼吸も気持ちよく、ゆらゆらと燃える炎を見つめると気持ちも落ち着く。1日1組限定ということもあり、いつでも好きなタイミングでサウナに入ることができるのも嬉しい。
森の中でのチームビルディング
〈HINOKO TOKYO〉を運営するトレイルヘッズは「働く・暮らす・遊ぶ」をつなぐように、数々のオフィス空間の設計をしてきた。彼らが2022年12月からこの場所で提供するのは、チームや組織の関係性を深めるチームビルディング研修。
森の中で、なおかつ会員制のプライベート空間だからこそ、雄大な自然からチームづくりのヒントを得られるとして、このサービスがスタートする。大自然の中でありながら、しっかりとしたWi-Fiや電源などが万全に整えられている点にも注目したい。
サウナ体験はもちろんのこと、アウトドアだからこそできる体を使ったワークショップや焚き火を囲んでの対話など、日常では味わえない景色を感じることができる。
たとえば、薪を使って体を動かすだけでも、会議室でのアイスブレイクより心と体の緊張もほぐれやすい。
サウナの中では水着一枚だからこそ、本音で語り合えるようになる。日常の立場などを忘れ、水風呂の役割を担う秋川の清流で童心に返るからこそ、緊張が一気に解けていく瞬間をサウナが演出してくれるのだ。
体験者からは「集中しないとついのんびりしそうになってしまうけれど、いつもとは違う空間で会社や自分のことを話す特別感がすごくいい」との声があがっていた。
焚き火で深まる対話を楽しむ
大自然に囲まれているからこそ楽しみたいのは、焚き火。都内では焚き火ができる場所が減っているので、火を眺めながら対話を深められるのも贅沢のひとつと言える。
チームビルディング研修の最後では、焚き火を囲みながら半年後の自分の目標を書き出し、参加者同士で語り合いながらその木の板を火にくべる。ちょっとした門出を彷彿とさせ、気持ちも上がる。
「サウナで気持ちいいという感情になったり、ワークでドキドキや怖さを感じたり。普段ただ過ごしているだけでは起こらない感情や感覚が生まれて、みんなとの距離感がより近くなったように感じました」という参加者の感想も印象的だった。
このチームビルディング研修では、ファシリテーターが重要になる。〈HINOKO TOKYO〉でアサインすることも可能ということで、研修の目的の相談から、ワークの設計、当日の進行まで担ってくれる。
自然の中でしか広がらないチームワークやアイデアなど、特別な体験を東京の森で感じてみてほしい。