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千葉雅也が「グッチ ガーデン アーキタイプ」展を体感。会場を巡るポッドキャストも配信

本誌(2021年9月15日発売号)で「グッチ ガーデン アーキタイプ」展のデジタルルームツアーに参加し解説してくれた、哲学者で作家の千葉雅也さんが実際のイベント会場に足を運び、リアルツアーを敢行。そのインプレッションを語ってくれました。テキストと音声でレポートします。

Photo: Shoichi Kajino / Text: Itoi Kuriyama

〈グッチ〉のブランド創設100周年を記念し、今年5月にフィレンツェのグッチ ガーデンで開催された「グッチ ガーデン アーキタイプ」展が上海、香港を経由し、このたび日本に上陸した。これはアレッサンドロ・ミケーレがクリエーティブ・ディレクターに就任した後の広告キャンペーンの世界をシーズン・テーマごとに表現した13の展示室で構成されているエキシビションだ。

現代における
“新しさ”や“解放感”を探るために
過去を批評的に捉えている

「ファッションというのは多かれ少なかれ古いモチーフをいかに使うかというのが常にポイントになっていると思います。展示を見ていると20世紀におけるある種のアバンギャルドが今ファッションで活用されている“アーカイブ”になっているということに1978年生まれの僕は軽いめまいをおぼえます。

アレッサンドロは、そうした過去の“新しさ”や“解放感”のバリエーションを見せていく中で、「じゃあ今という時代は価値あるアーカイブになり得るのか?」と暗に問うているような気がします。

インターネットが発達していろんなことが何でも自宅でできるようになったからと言って、はたしてわれわれはかつてより自由になったのか。ドアを開けたら着ぐるみの宇宙人が立っていた、というときの素朴な驚きの方がよっぽど解放感があったかもしれないですよね。

2000年代には服の可能性というのはほとんど出尽くしてしまった。その後どういう展開になるかとなると、消極的に言って、昔のものをリバイバルするということになります。アレッサンドロは、今ファッションはもう一度リバイバルとノスタルジーに真剣に向き合わなければいけない、ということに自覚的なのではないでしょうか。過去を批評的に捉えていくフェーズにあるんです」

ポッドキャストで千葉さんの
インプレッションをもっと聞く

雑誌「BRUTUS」とSPINEARの連動ポッドキャストがスタート。今回は千葉雅也さんが「グッチ ガーデン アーキタイプ」展を巡り、体感した模様を音声でお送りします。めくるめく空間からヒントを探し、時に独自の解釈を加えながら、想像をはるかに超えた詳細な解説。エキシビションをより面白く、理解するためのガイドとなるはずです。

Room 4

2015年秋冬の広告キャンペーンの舞台となったロサンゼルスの地下鉄の車内を表現。千葉さんは、モードの移り変わりや繰り返しと移動する地下鉄に関係性を見出す。

グッチ ガーデン アーキタイプ 千葉雅也

Room 5

「かつてのオリエンタリズム的まなざしを批評的に描いている」と千葉さんが評する2016年秋冬の広告キャンペーンがもとになっている。デコトラが待ち受け、BGMはパチンコ店の喧騒。

千葉雅也 グッチガーデンアーキタイプ

Room 7

1960年代から70年代のSF映画のムードを取り入れた2017年秋冬キャンペーンを表現。「僕の子供時代には宇宙人やリアルに描かれている恐竜に本当にびっくりしていましたが、もはやそれがキッチュなものになってしまっています」

千葉雅也 グッチガーデンアーキタイプ