博多華丸・大吉、和牛、ジャルジャル…。漫才が生まれる場所の裏側に密着

photo: Satoko Imazu / text: Ikuko Hyodo

スポーツも音楽も、生でしか味わえない感動があるけれども、漫才もまたしかり。劇場で見る漫才はライブならではの面白さがあり、バラエティ番組などで目にするのとは異なる表情の芸人たちがいる。漫才が生まれる場所の裏側では、何が起きているのだろう。

初出:BRUTUS No.835『漫才ブルータス』(2016年11月1日発売)

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東京グランド花月

注目コンビから名人まで芸を堪能できる場

笑いの本拠地・大阪の名物として知られる〈なんばグランド花月〉。その出張版として、今年から定期開催されているのが、『東京グランド花月』だ。若手も中堅も師匠クラスも入り乱れて漫才を披露し、芸人たちにとっても貴重かつ刺激的な場となっている。

楽屋の廊下でネタ合わせをする和牛。その日のネタは、直前に決めるそう。
車座になってなぜか昭和のプロ野球話で盛り上がる、部室のようなノリの控室。

超漫才 2016

打ち合わせなしで、漫才は成立するのか⁉

観客から集めたお題をその場で選び、打ち合わせも一切せずに、即興で漫才を披露するジャルジャルの「超漫才LIVE」。公開ネタ作り的なノリなのだが、そう呼ぶにはあまりにも高度。2人の息が合っていなければ絶対に成立しないその漫才は、“超漫才”という名にふさわしい離れ業だ。会場となった渋谷ユーロライブの入口で、全裸の顔出しパネルがお出迎え。

緊張のなか笑い、驚き、安堵が生まれ、ひとネタ終わるたびに不思議な一体感が。
その日披露したネタリスト。何をやったのか「よく覚えていない」とのこと。
「本番前はテンションを上げるだけ」とストレッチしたり、そばをすすったり。