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グルマン温故知新:学芸大学〈錦酔〉海鮮酒場で磨いた、多彩な魚料理がウリ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「学大酒場」。ナチュラルワイン系を中心に、若い飲み手が集う店が街を賑わす学芸大学駅。ここに、大人が静かに飲める選択肢が新たに加わった。厳選した日本酒がメインで、駅からわずかに離れた環境も、しっとり飲みにはうってつけ。心意気を感じる肴が酒を呼ぶ。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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錦酔(学芸大学)

海鮮酒場で磨いた、多彩な魚料理がウリ

生で、焼いて、煮て揚げて。旬の魚介を一番おいしい調理法で並べたら、瞬く間に50種超え。合わせる日本酒は北から南まで、味わいや地域性で選べる布陣だ。魚介に合うスパークリングや白を中心に、ソムリエが選ぶワインも揃う。

1品目から好きなものを食べてほしいからお通しはなし。ワサビは静岡・伊豆から仕入れる一級品をケチらずに、と何もかも潔い。

店主の鈴木翔平さんの経歴がユニークだ。歯科医院の実家を継ぐべく歯科大に進み、反動で美術を志しと、進路選びは揺れに揺れた大航海で、これだとハマッたのが、アルバイトで始めた飲食業。神奈川県相模原市界隈で魚好きに知られる海鮮酒場〈魚男(フィッシャーマン)〉で修業した8年は、まさに水を得た魚?

縁あって決まった物件は、駅からは歩くけれど落ち着いた住宅街がすぐ。戦略より純粋な魚好き、人好きが前面に出たもてなしの好感度もあってか、大人の客で賑わっている。

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