Ciel Pizza(渋谷)
フレンチシェフが考えた日本のピザの現在地
「ピザは今や日本の国民食。ならばナポリ風とかではない、独自の形があっていい」と、渋谷〈ラチュレ〉の室田拓人シェフ。ハンターシェフとしてジビエ料理で鳴らすゴリゴリのフランス料理人だが、日本人の舌に合うピザを作るべく立ち上がった。
フランス料理でもパイをはじめ小麦粉の生地は重要で、室田シェフの得意分野でもある。「日本らしさ」を追求し、国産小麦に米粉を配合した生地を完成させた。
「炊きたてのご飯の甘味、焼いた餅の香ばしさがある」生地を彩るトッピングは、ジビエで仕込むシャルキュトリや、国産チーズ、自社農園の野菜など〈ラチュレ〉でもスタメンの食材だ。米粉やジビエの活用は食品ロス削減や害獣駆除など、日本の農と食の現場が抱える問題解決にも繋がる。
レストランの技と食材で作るおいしさを幅広い層に、という思いも。「ピザ1枚から、気軽にどうぞ」と、フードコートに出店する選択にも心意気を感じる。