PITTZZ(原宿/東京)
芯のある古着に出会うために ここは、マストアドレス
「古着は“何か足りない”から面白いんですよ」。そう話すのは古着店の激戦区、原宿に店を構える〈ピッツ〉の伊藤翼さん。「着丈が長かったり、穴が開いていたり。十人十色の着方があって、それが個性になると思う」。
扱うのは国や年代を問わず、独自の視点で選び抜かれた服や小物。店のオープンは2020年3月で開店後すぐに営業自粛を強いられたが、アメリカやヨーロッパなど現地での買い付けを貫いてきた。
「リモートで仕入れることもできる時代ですが、自分はバイイングトリップでの人、物、事のストーリーが大事です。実際に現地に出向き自分で見て触れ、自信を持ってよいと思うものを仕入れたいですね」と伊藤さん。
最近熱を入れて集めているのはハンドペイントの記念アイテムたち。イギリス軍や大学のセレモニーで落書きされたシャツやパンツは、伊藤さんが渡航先の倉庫で偶然発見したものなのだとか。
slowpoke(弘前/青森)
古着も新品も関係なく 長く着られるものを
青森県弘前市で、古くからの商店街が連なる土手町エリア。その路地裏マンションの一角に〈スローポーク〉はある。米欧を中心に買い付けた古着は多いが、“街の衣料品店”のような立ち位置をとっている。
「セレクトの基準に、新品と古着の垣根はありません。純粋にいいなと思ったものだけを扱っています」と話すのは、店主の若城徹土さん。20年ほど前にアメリカ一人旅を決行し、西海岸を中心に丸3ヵ月漫遊した際の経験が現在の考えを築いた。
「当時、日本ではお金がない若者が古着(ヴィンテージではない)を買い、大人になるにつれ着なくなる風潮がありました。でも、サンフランシスコへ行くと、年齢を重ねても新品と同じ感覚で古着を選ぶ方たちがいた。そんなカルチャーに影響を受けました」。
8(古着):2(新品)程度の割合で、オリジナルの服作りも行う。テーマは“今の技術だからこそ作れる、ゆくゆくは古着となれる新品”。新旧問わず、時を経てもいいものがここにはある。
※紹介した古着の多くは一点物で、品切れの場合があります。価格等の情報は取材時のもので、変更になる場合があります。