欲しいものだけ集めました!この夏着たい、いいTシャツ20
photo: Hirokazu Kobayashi / styling: Shinichi Sakagami (3, 10, 12) / text: Shoko Yoshida / text&edit: Tamio Ogasawara
Tシャツは夏の正装です。とっておきの一枚を探すお店が見つかるのはもちろん、キーワードがあると見どころが明快で、サイズがわかるとなお便利。さあ、今年の夏もまだまだ終わりません。
(1)【KEYWORD】ベースボールラブ
【BRAND】ジャラーナ
LAの老舗ホットドッグ店〈PINK'S〉のドジャース愛は筋金入り。こちらはダルビッシュ在籍時の2017年のワールドシリーズ出場記念に特別に作られた店頭スタッフ用Tシャツ。ボディは、〈GILDAN〉5.3オンスコットン100%。基本はチームカラーのブルーボディで、この白は稀少。
(2)【KEYWORD】古着上書き保存
【BRAND】QSOW(クワイエット スペース オーバー ライティング)
長野県を拠点とするインテリアブランド〈QUIET SPACE TOOL & FURNITURE〉が提案する仕事着が〈QSOW〉。古着を “Over Write” (上書き保存)することでユニフォームとしたのが始まりで、こちらは大学フットボールチームTシャツに風をモチーフとした図案をプリント。
(3)【KEYWORD】バイアス
【BRAND】テクネ
実験映像を数多く手がけた作家、ノーマン・マクラレンの映像作品をカラーパレットに、肌触りの良さがこの上ないハイゲージジャージー素材を使った〈テクネ〉のTシャツ。生地をバイアス方向に使い、美しいドレープ感を生み出すのが、東京ローカルのプロダクトブランド〈テクネ〉の技。
(4)【KEYWORD】レーシング
【BRAND】ナーディマウンテンワークス
トレッキング、バイクパッキング、フィッシングといったデザイナー自身の日常を、独自のアウトドア製品として落とし込む東京・小平発〈NERDY MOUNTAIN WORKS〉。こちらは90年代のマウンテンバイクパーツメーカーのノリをグラフィックに。
(5)【KEYWORD】黙示録
【BRAND】エンズアンドミーンズ
「黙示録に記載されていた解読不能な謎のグラフィック」をコンセプトに作られた〈ENDS and MEANS〉のTシャツ。ガーメントダイで染め上げたボディはスモーキーなアッシュグレーで、褪色加減とプリントの色味のバランスも完璧。グラフィックは何度見ても謎だ。
(6)【KEYWORD】スティグレ
【BRAND】スティープグレードシャープカーブス
東京・和泉多摩川のショップ〈STEEP GRADE SHARP CURVES〉。店名が長く覚えられないのでSGSCと呼ばれたり、スティグレと呼ばれたり。このグラフィックはスティグレ風にSTILL GRAY。言葉遊びか、ヤケクソか。ボディは〈ロサンゼルスアパレル〉で。
(7)【KEYWORD】ジャズ
【BRAND】ジャズ喫茶いーぐる
1967年創業、東京・四ツ谷の老舗ジャズ喫茶〈いーぐる〉の飾らない一枚。胸元には手描きのトランペットと「いーぐる」のロゴ。近所の〈ENDS and MEANS〉の直営店〈CUXTON HOUSE〉の方にTシャツの作り方を指南してもらったそうで、完売するたびに新色が登場。
(8)【KEYWORD】フルーツ
【BRAND】モットハウス・トーキョー
東京・千駄ヶ谷のセレクトショップ〈THE MOTT HOUSE TOKYO〉が、季節ごとに不定期開催するジューススタンドにちなみ作ったおいしそうな“The JUICE”Tシャツ。店主の柴田麻莉さんが手元にふと残していたフルーツの切り抜き写真を使ったデザイン。
(9)【KEYWORD】ヘンリーネック
【BRAND】フィルメランジェ
〈MAIDENS SHOP〉が〈FilMelange〉に別注したウール100%のニットTシャツ。1950年代の吊り編み機で編まれたしなやかな生地感だけでも贅沢な作りなのに、ニット地にわざわざボタンを付けてヘンリーネック仕様とする凝り具合に、カットソーブランドの矜持(きょうじ)を見た。
(10)【KEYWORD】ムース
【BRAND】エルエルビーン
雄大な大地を相手にする〈L.L.Bean〉が選ぶ動物はヘラジカ。手のひら状の巨大な枝角を持つ大型のヘラジカで、欧州ではエルク、北米ではムースと呼ばれる。〈L.L.Bean〉誕生の地、米・メイン州はアラスカに次ぐヘラジカの生息地だ。ロゴ入りの胸ポケット付きで。
(11)【KEYWORD】おにぎり
【BRAND】山太郎
4,000円(山太郎 TEL:03-6823-7549)。サイズL、着丈68.5㎝、身丈71㎝、身幅56㎝、肩幅50㎝、袖丈21㎝、ネック幅19㎝。
具だくさんのおにぎりと、だしの効いたとん汁が行列を作る東京・雑司が谷のおにぎり・とん汁の専門店〈山太郎〉。和なお店とは対照的な、ファストフード的デザインのTシャツは近所の〈CUP AND CONE〉が手がけた。このグリーンは、雑司が谷駅のステーションカラーと海苔(のり)の色から。
(12)【KEYWORD】ランニング
【BRAND】メイデンズショップ
6,380円(MAIDENS SHOP)。サイズXL、着丈70㎝、身丈74㎝、身幅56㎝、肩幅52㎝、袖丈21㎝、ネック幅20㎝。
ロンドンの〈PROGRESS RUNNING CLUB〉が作ったリンガーTシャツ。このクラブは、80〜90年代のランニングカルチャーに影響を受け、毎週同じ曜日の同じ時間に走ることを習慣とするランナーグループ。日本でいえば、決まった時間に皇居を走るランナーグループによるTシャツといったところ。
(13)【KEYWORD】ヨガ
【BRAND】マイナー プラネット ニューヨーク
8,499円(スティーブン アラン フタコタマガワ TEL:03-5491-7511)。サイズXL、着丈80㎝、身丈83.5㎝、身幅64㎝、肩幅56㎝、袖丈25㎝、ネック幅22㎝。
男性のヨガへの理解が深いNYで2023年に始まった〈Minor Planet New York〉。もはやバンカーからスケーターまでヨガをやる時代だ。こちらは〈スティーブン アラン〉とのコラボで、着ていてかなり気持ちのいい一着。デザインもマインドフルネス。
(14)【KEYWORD】チビT
【BRAND】アスカ アンドウ
5,000円(mellowmoood shop mellowmoood.theshop.jp)。サイズM、着丈44㎝、身丈46㎝、身幅36㎝、肩幅36㎝、袖丈11㎝、ネック幅15㎝。
ラヴァーズロックシンガーのasuka andoさんが、サードアルバム『DOUBLE HAPPINESS』のリリースパーティで作ったレディ用のチビT。昨今の女性はタイトがお好きです。〈ロサンゼルスアパレル〉のボディで、胸には射抜かれたハートのイラスト。
(15)【KEYWORD】五木田智央
【BRAND】タコマフジレコード
7,700円(STEEP GRADE SHARP CURVES)。サイズL、着丈67㎝、身丈70㎝、身幅57㎝、肩幅46㎝、袖丈23㎝、ネック幅19㎝。
スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディによる超獣コンビは今年結成50周年。個展のモチーフにするほどプロレス好きの画家、五木田智央さんが描いた超獣コンビは、実在しない音楽のマーチャンダイズをプロダクト化し続ける、〈TACOMA FUJI RECORDS〉から。
(16)【KEYWORD】覚王山
【BRAND】オリジンストア
6,600円(Origin Store TEL:090-9129-5929)。サイズXL、着丈72.5㎝、身丈76㎝、身幅62㎝、肩幅58㎝、袖丈23㎝、ネック幅21㎝。
名古屋・覚王山のセレクトショップ〈Origin Store〉は、街をテーマとしたスーベニアTシャツを製作。デザインは米・ヴァージニア州を拠点に活動するサインペインターのジョシュ・ストーヴァーさんにお願いして、街灯やトラックなどのありふれた街並みをアートにしてもらった。
(17)【KEYWORD】ショーツ
【BRAND】ショートパンツエブリデイ
7,150円(WAGON TEL:0985-20-4040)。サイズ3、着丈73㎝、身丈76㎝、身幅59.5㎝、肩幅55.5㎝、袖丈26㎝、ネック幅20㎝。
宮崎発、〈Short pants every day〉なるショートパンツ作りから始まったブランドが作るTシャツ。超厚手の9.1オンスのタフな生地にプリントされるSの文字は、染色家の宮入圭太さんが考案した図案だ。型染めの雰囲気が出るように、インクの種類と量を調整したハンドプリント。
(18)【KEYWORD】インディア
【BRAND】ベドラム
デザイナーのニハールさんはインドがルーツで日本育ち。紫はメイド・イン・インディアのボディ。
(19)【KEYWORD】インディア
【BRAND】ベドラム
ゲートモチーフはインドと日本の国旗の融合で。
(20)【KEYWORD】としまえん
【BRAND】カップアンドコーン
6,600円(CUP AND CONE TEL:03-5962-0662)。サイズL、着丈72㎝、身丈75㎝、身幅58㎝、肩幅57㎝、袖丈23㎝、ネック幅20㎝。
東京の夏といえば、としまえん。今はもうないけれど、あの日の夏気分はこの〈CUP AND CONE〉のTシャツで満喫できる。レンタル浮き輪に、名物スライダーのハイドロポリス。何百回と滑ったという人も多いはず。ボディは〈ロサンゼルスアパレル〉の1801GDで。