この人も、怪談師です
「怪談シーンには、新たな才能が続々誕生しているんです」と深津さん。そこで、ここ5年ほどの間に登場し、めきめき注目度を上げる10人を挙げてもらった。現役妖怪研究者から、元ヤン、最若手の生まれながらの怪談師まで、強烈なキャラクターを持つ面々をキャッチコピーとともに。
京都から世界へ、妖怪を発信。妖怪研究家、河野隼也。
京都の大学に勤める妖怪文化研究家。「百鬼夜行を現代に蘇らせる妖怪仮装行列『一条百鬼夜行』の運営者で、妖怪の魅力を伝えるために渡米もしています。独自の妖怪的解釈を通して語られる話は唯一無二です」
HP：http://www.kyotohyakki.com/
ドープなラッパー怪談師。精神科医、Dr. マキダシ。
東京を拠点に活動する、プロのラッパーでありつつ精神科医の怪談師。ラパ怖こと『ラッパーの怖い話』というイベントを主催。「奇妙だけど恐ろしい話が魅力。精神科医ならではの繊細な情緒の動きの描写は圧巻です」
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恐怖上等！元ヤン怪談師。コスプレイヤー、DJたらちゃん。
愛媛を拠点に活動する元ヤンで、アニソンDJかつコスプレイヤーでもある。「元ヤン怪談の語り手。クスリをやっている先輩と幽霊の話や鉄拳制裁で除霊した話などキュートな見た目に反してなかなかエゲツない」
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怪談ライブのフライヤーも手がける。アートディレクター怪談師、チビル松村。
関東を中心に活動する、アートディレクター怪談師。オカルトエンタメ大学『怪談ニュージェネレーション』初代王者。「虫の話があればその歴史や生態まで深掘りする、リサーチの鬼。職歴を生かし、フライヤー作りも」
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「怖い。でも僕は語らねばならない」ブラッディストーリーテラー、木根緋郷（ひさと）。
東京を拠点に活動する怪談師。「怪談が内に秘める痛みや辛さなどの負の側面から目を背けず真正面から取り組む、ダークな雰囲気（？）の語り手。ある種の使命感を持っているからこその、独特な世界観を感じられます」
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怪談リースも手がける、九州のホープ。怪談収集家、オオタケ。
福岡を拠点に活動。「数々のイベントを主催し、ここ2年ほど九州のシーンを盛り上げています。特異なのは、収集した怪談を語りたいという人に貸し出すというスタイル。草の根的に怪談の魅力が広がっています」
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「四国の怪談は俺が守る」白塗りに学ラン、恐怖新聞健太郎。
香川を拠点に活動する、バンドマンで怪談師。「ご覧の通りの白塗りビジュアルが怖面白い。しかも怪談の多くは、“小学生が子供のときに体験した怖い話”。そのギャップがまたいい。はじめはぜひ『納屋に潜む少女』を」
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Instagram：@sairasugurisamu23
ナチュラルボーン怪談師。ピュアな怪談愛を秘める、伊勢海若。
大分を拠点に活動する最若手。「2022年から語るようになった超大型新人。というのも、その怪談収集歴は小学生時代に遡り、時にヒッチハイクで、時にフィールドワークもする徹底ぶり。ポップな話しぶりは中毒性十分」
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Instagram：@kaidandadada
夢は、河童と暮らす家造り。前衛怪談も愛する建築士、ワダ。
京都を拠点に活動する、怪談大好き建築家。水回りなどの造りを工夫して“河童を呼ぶ家”を設計中。「怖いというよりも奇妙さが魅力の怪談を話す方。『ふとしのホラーナイト』という前衛怪談イベントも主催しています」
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2年半に及ぶタンザニアの見聞録。現役看護師、松永瑞香。
関東を中心に活動する看護師で怪談師。「JICA海外協力隊の一員としてタンザニアで暮らしたことがある、珍しい経歴の持ち主。さらに現地では呪術も学んでいます。その怪談は文化人類学的な興味深さも」
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日本一を決めるグランプリがあります
漫才に『M-1グランプリ』があるように、怪談にもナンバーワン怪談師を決めるショーレースがあることをご存じだろうか？その名も、『怪談最恐戦』。2018年にスタートし、2023年が6回目。プロアマ問わず今年は200人余りの怪談師が参加ししのぎを削っている。
3分1本勝負とルールは至ってシンプル。「シャープに磨き上げられた恐怖と、まだ見ぬ才能との出会いがあるはずです」
2020年優勝者：夜馬裕 
2021年優勝者：田中俊行 
2022年優勝者：伊山亮吉
あなたも話してみる？
怪談バーとは怪談師の語りを肴にお酒を楽しむ場所。だが、大阪で月に1度開催される『オカルト怪談BAR』のスタイルは違っている。「もちろん怪談を話す場所ではあるのですが、語り手のメインはお客さんなんです。主宰するサカモトさんは怪談師だけどあくまで聞き役。しゃべりたくて来る人からただ聞くだけの人まで、怪談に関わる人の場を作っているんですね」。
スタートしてこの2023年7月で丸5年、通算2,000人近いお客さんがやってきているという。語り手になれば怪談の新たな魅力に気がつくかも。
閲覧注意、YouTubeで聴ける本当に怖い名作怪談
ライブに行けないときはYouTubeで。『オカルトエンタメ大学』『Channel恐怖』といった専門チャンネルから、怪談師自身のチャンネルまで多様だ。「YouTubeをきっかけに怪談ライブに来るお客さんも多いです。もともとラジオ好きの人が怪談を聴き始めたり、睡眠用BGMに怪談を聴くという方も」。大量の名作怪談から、深津さんの2選をご紹介。
