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怪談師・深津さくらが案内する怪談ライブ、そのディープな世界

知れば知るほど多様な怪談ライブの世界を、怪談師の深津さくらさんが案内。人から入るも、賞レースから入るも、自分で話してみるもよし。あなたの恐怖のツボを突いてくる怪談がきっと見つかるはず。

text: Ryota Mukai

この人も、怪談師です

「怪談シーンには、新たな才能が続々誕生しているんです」と深津さん。そこで、ここ5年ほどの間に登場し、めきめき注目度を上げる10人を挙げてもらった。現役妖怪研究者から、元ヤン、最若手の生まれながらの怪談師まで、強烈なキャラクターを持つ面々をキャッチコピーとともに。

日本一を決めるグランプリがあります

漫才に『M-1グランプリ』があるように、怪談にもナンバーワン怪談師を決めるショーレースがあることをご存じだろうか?その名も、『怪談最恐戦』。2018年にスタートし、2023年が6回目。プロアマ問わず今年は200人余りの怪談師が参加ししのぎを削っている。

3分1本勝負とルールは至ってシンプル。「シャープに磨き上げられた恐怖と、まだ見ぬ才能との出会いがあるはずです」

あなたも話してみる?

怪談バーとは怪談師の語りを肴にお酒を楽しむ場所。だが、大阪で月に1度開催される『オカルト怪談BAR』のスタイルは違っている。「もちろん怪談を話す場所ではあるのですが、語り手のメインはお客さんなんです。主宰するサカモトさんは怪談師だけどあくまで聞き役。しゃべりたくて来る人からただ聞くだけの人まで、怪談に関わる人の場を作っているんですね」。

スタートしてこの2023年7月で丸5年、通算2,000人近いお客さんがやってきているという。語り手になれば怪談の新たな魅力に気がつくかも。

大阪〈オカルト怪談BAR〉店内

閲覧注意、YouTubeで聴ける本当に怖い名作怪談

ライブに行けないときはYouTubeで。『オカルトエンタメ大学』『Channel恐怖』といった専門チャンネルから、怪談師自身のチャンネルまで多様だ。「YouTubeをきっかけに怪談ライブに来るお客さんも多いです。もともとラジオ好きの人が怪談を聴き始めたり、睡眠用BGMに怪談を聴くという方も」。大量の名作怪談から、深津さんの2選をご紹介。

決勝大会特有の緊張感。極限に張り詰めた怖さがここに。最も怖い話をする語り手を決める『OKOWAチャンピオンシップ2020』の決勝戦。「怖さはもちろん、尋常でない緊張感も見どころの一つ」。上里洋志「語ってはいけない話 前後編」
ラジオのアーカイブもネットなら楽しめる。MBSラジオの人気怪談番組『北野誠の茶屋町怪談2018夏』の一コマ。「ラジオは身ぶり手ぶりが封じられている分、耳だけで余すことなく楽しめますね」。松原タニシ「トミーさん」