────リメイク、リマスター、リブート、移植の違いって?
嵯峨寛子
「リメイク」はストーリー、システム、グラフィックがガラッと変わった作品に使われますよね。一方グラフィックだけが綺麗になったものに広く使われるのが「リマスター」。長らく動きがなかったシリーズが再始動すると「リブート」。「移植」はオリジナルを異なるハードに移行させること。わずかに機能が追加されることもありますね。
────では、印象が強い近年のリメイク作品は?
今貴生
やはり外せないのが『FFⅦ REMAKE』ですね。発売当時(1997年)、ポリゴンの描写ですらすごいと言われていたのが、リアルタイムレンダリングの美しいカットシーンからシームレスにプレイ画面に移るさまに驚きました。
嵯峨
バトルシステムも旧作のターン制ではなく、最新のハードだからこそできるアクションになってより爽快に。
堅田智裕
来年は『FFⅦ REBIRTH』も控えていますしね。あと、『バイオハザード』の『RE』シリーズもよくできているなあと。過去作ではカメラが固定されてキャラを動かしづらく、肩を壁にこすりつけて走っていたものも、直感的にプレイできるように。
ORIGINAL
嵯峨
それから、外せないのが『ドラゴンクエスト』。ゲーム業界でリメイクが盛んになる前から、ファミコンのタイトルをスーファミで出していましたから。
今
容量がアップして新要素が追加に。『Ⅲ』では職業が増え、性格診断も加わり遊びの幅が広がった。プレイステーションでリメイクされた『Ⅳ』では敵だったピサロが仲間にできるようになり、物語により深みが。
嵯峨
今も最新ハードでシリーズのほとんどのタイトルが遊べる。未体験の方にも昔からのファンにも最高な環境ですよね。
堅田
携帯ゲーム機への移植でいうと『かまいたちの夜〜アドバンス〜』も好きでした。サウンドノベルなので、まさに文庫本を持ち歩く感覚で遊べて。
────近年のリメイクの傾向は?
嵯峨
『ロックマンエグゼ』『ペーパーマリオ』『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』といった、今30歳前後の方々が多感な年頃に遊んでいたゲームが、リメイクやリマスターでよく出てきている印象があります。
今
昔のハードのリメイクも一段落して、ゲームキューブやDS作品を遊びたくなる頃ですよね。できれば最新のハードで。
嵯峨
それと、Nintendo Switch Onlineに加入するとファミコンやスーパーファミコンの旧作が遊び放題であることにも注目しておきたいです。かなりの大盤振る舞いですよ!
堅田
あと『ライブアライブ』や『パワプロクンポケット』『シェンムー』といった、コアなファンを持つタイトルが移植・リメイクされる傾向を感じます。今年は『逆転裁判』を生んだ巧舟さんの隠れた名作『ゴースト トリック』も、リマスター化され話題に。
今
ハードの再現も一つの流れ。メガドライブミニ2で『アフターバーナーⅡ』が遊べたり。
────ファンはどんなリメイクを求めていると思いますか?
嵯峨
新しさと懐かしさのバランスじゃないでしょうか。
堅田
オリジナリティを失わないってことですよね。「そこを変えたら別ゲーじゃん」という部分は押さえておくべきかと。
今
ユーザビリティの改善も大事。昔はムービーを飛ばさず映画感覚で観ていたけど、今はスキップ機能が欲しい時も(笑)。
────『ファミ通』のみなさんが、リメイクを熱望する作品は?
今
今遊ぶ手立てがないゲームをリメイクしてほしいですね。マイクを使って顔のある魚と会話する『シーマン』なんて、今の時代に合っている気がします。
嵯峨
遊ぶ術(すべ)がないといえば、『サクラ大戦』もぜひ。オープニングを永遠に眺めていたいー。
今
PS初期に作られた個性的なゲームも豊富ですよ。『蚊』をVRでリメイクするとか。
嵯峨
それはめちゃくちゃ嫌!
堅田
未リメイク作を挙げるとマニアックになりがちですね。アーケードの『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』とか……。
今
あと、エリアが限定されたRPGをオープンワールドにして遊んでみたい。初代の『ゼルダの伝説』を『ブレス オブ ザ ワイルド』のシステムでやったらどうなるんだろう。
嵯峨
来年30周年の『ときめきメモリアル』もいいですよね。昔ながらのデザインの詩織ちゃんに今の若い子がときめけるか……。でも詩織ちゃんにはあのままでいてほしいんですよ。