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過去の名作を新しいハードで再び。『週刊ファミ通』編集部的、いいリメイクゲーム作品

名作も古いと解像度が低いし、ソフトもハードも探しづらい。そんな時、選びたいのが時代に合わせてチューンナップされたリメイクだ。歴史あるゲームメディアの『ファミ通』編集部と一緒に、その魅力について考えた。

photo: Hiromichi Uchida / text: Neo Iida

『ファミ通』編集部の今貴生、嵯峨寛子、堅田智裕
左から/今貴生さん、嵯峨寛子さん、堅田智裕さん

────リメイク、リマスター、リブート、移植の違いって?

嵯峨寛子

「リメイク」はストーリー、システム、グラフィックがガラッと変わった作品に使われますよね。一方グラフィックだけが綺麗になったものに広く使われるのが「リマスター」。長らく動きがなかったシリーズが再始動すると「リブート」。「移植」はオリジナルを異なるハードに移行させること。わずかに機能が追加されることもありますね。

────では、印象が強い近年のリメイク作品は?

今貴生

やはり外せないのが『FFⅦ REMAKE』ですね。発売当時(1997年)、ポリゴンの描写ですらすごいと言われていたのが、リアルタイムレンダリングの美しいカットシーンからシームレスにプレイ画面に移るさまに驚きました。

ファイナルファンタジーⅦ REMAKE(2020)
対応機種:PS5/PS4/PC
発売から23年を経てリメイクされ、世界累計販売数約700万本を記録した全3部作の1作目。グラフィックが格段に向上し、新エピソードを追加。バトルもアクションとコマンドが融合したシステムに。「ミッドガル脱出」までを描く。

嵯峨

バトルシステムも旧作のターン制ではなく、最新のハードだからこそできるアクションになってより爽快に。

堅田智裕

来年は『FFⅦ REBIRTH』も控えていますしね。あと、『バイオハザード』の『RE』シリーズもよくできているなあと。過去作ではカメラが固定されてキャラを動かしづらく、肩を壁にこすりつけて走っていたものも、直感的にプレイできるように。

ファイナルファンタジーⅦ REBIRTH(2024)
対応機種:PS5
『REMAKE』の続編。旧作における「忘らるる都」までの展開を基に、オリジナル要素を加えた作品。

ORIGINAL

ゲーム『ファイナルファンタジーⅦ』
ファイナルファンタジーⅦ(1997)
対応機種:PS1
近未来的世界感や3Dポリゴンのキャラ造形、リッチなCGムービーなど旧来の『FF』と一線を画す大ヒット作。

嵯峨

それから、外せないのが『ドラゴンクエスト』。ゲーム業界でリメイクが盛んになる前から、ファミコンのタイトルをスーファミで出していましたから。

ゲーム『ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ』
ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ(1993)
対応機種:SFC
ファミコン版の2作をスーファミ版に。ビジュアル面も大幅にパワーアップした。「ぼうけんのしょ」「べんりボタン」などの要素が追加に。

容量がアップして新要素が追加に。『Ⅲ』では職業が増え、性格診断も加わり遊びの幅が広がった。プレイステーションでリメイクされた『Ⅳ』では敵だったピサロが仲間にできるようになり、物語により深みが。

嵯峨

今も最新ハードでシリーズのほとんどのタイトルが遊べる。未体験の方にも昔からのファンにも最高な環境ですよね。

堅田

携帯ゲーム機への移植でいうと『かまいたちの夜〜アドバンス〜』も好きでした。サウンドノベルなので、まさに文庫本を持ち歩く感覚で遊べて。

ゲーム『かまいたちの夜~アドバンス~』
かまいたちの夜〜アドバンス〜(2002)
対応機種:GBA
1998年のプレイステーション版を移植。94年のスーファミ用ソフトをベースに、フローチャート機能が追加され、格段に遊びやすくなった。

────近年のリメイクの傾向は?

嵯峨

『ロックマンエグゼ』『ペーパーマリオ』『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』といった、今30歳前後の方々が多感な年頃に遊んでいたゲームが、リメイクやリマスターでよく出てきている印象があります。

昔のハードのリメイクも一段落して、ゲームキューブやDS作品を遊びたくなる頃ですよね。できれば最新のハードで。

嵯峨

それと、Nintendo Switch Onlineに加入するとファミコンやスーパーファミコンの旧作が遊び放題であることにも注目しておきたいです。かなりの大盤振る舞いですよ!

堅田

あと『ライブアライブ』や『パワプロクンポケット』『シェンムー』といった、コアなファンを持つタイトルが移植・リメイクされる傾向を感じます。今年は『逆転裁判』を生んだ巧舟さんの隠れた名作『ゴースト トリック』も、リマスター化され話題に。

ハードの再現も一つの流れ。メガドライブミニ2で『アフターバーナーⅡ』が遊べたり。

ライブアライブ(2022)
対応機種:Switch/PS5/PS4/PC
1994年発売のスーファミ用ソフト。ドット絵に3DCGの画面効果を加えるHD-2Dの手法を使いディテールが細やかに。キャラボイスも採用。
シェンムーⅠ&Ⅱ(2018)
対応機種:PS4
ドリームキャストで発売された伝説的な作品がHDリマスターで蘇る。UIをアップデートし画面比率を16:9に。どこでもセーブ機能も。
ゴースト トリック(2023)
対応機種:Switch/PS4/Xbox/PC
2010年にニンテンドーDS用に発売されたソフトのリマスター版。イラストやBGMを集められるコレクション機能などが加わった。*Xbox One用ソフト
バイオハザード RE:2(2019)
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC
カプコン独自開発の「RE ENGINE」を使ってリメイク。カメラワークが変更され、ビハインドビューのTPS視点となり操作性が向上した。*Xbox One用ソフトもあり

────ファンはどんなリメイクを求めていると思いますか?

嵯峨

新しさと懐かしさのバランスじゃないでしょうか。

堅田

オリジナリティを失わないってことですよね。「そこを変えたら別ゲーじゃん」という部分は押さえておくべきかと。

ユーザビリティの改善も大事。昔はムービーを飛ばさず映画感覚で観ていたけど、今はスキップ機能が欲しい時も(笑)。

────『ファミ通』のみなさんが、リメイクを熱望する作品は?

今遊ぶ手立てがないゲームをリメイクしてほしいですね。マイクを使って顔のある魚と会話する『シーマン』なんて、今の時代に合っている気がします。

嵯峨

遊ぶ術(すべ)がないといえば、『サクラ大戦』もぜひ。オープニングを永遠に眺めていたいー。

PS初期に作られた個性的なゲームも豊富ですよ。『蚊』をVRでリメイクするとか。

嵯峨

それはめちゃくちゃ嫌!

堅田

未リメイク作を挙げるとマニアックになりがちですね。アーケードの『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』とか……。

あと、エリアが限定されたRPGをオープンワールドにして遊んでみたい。初代の『ゼルダの伝説』を『ブレス オブ ザ ワイルド』のシステムでやったらどうなるんだろう。

嵯峨

来年30周年の『ときめきメモリアル』もいいですよね。昔ながらのデザインの詩織ちゃんに今の若い子がときめけるか……。でも詩織ちゃんにはあのままでいてほしいんですよ。

『ファミ通』的リメイク希望作品