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世界観に没入し、作り手の情熱に胸を打たれる。本山敬一なりの、ゲームの楽しみかた

プレイスタイルだって、十人十色。ゲームを愛してやまないクリエイティブディレクター・本山敬一が語る、思い入れのある作品への愛と自分にとって最高の遊びかた。

photo: Takao Iwasawa / text: Neo Iida

密度が高く練り上げられた世界観に没入。垣間見える作り手の情熱に胸を打たれる

『Cyberpunk 2077』には、まず「プロジェクトとしてのエモさ」があるんです。発表から8年を経てやっとリリースされたと思ったらバグだらけで、なかなかスムーズに進めない。あの世界が持つシズル感のおかげで「ハッキングを受けたのかな?」とか言いながらギリギリで遊ぶ感じ。

ゲーム・オブ・ザ・イヤーも、箸にも棒にもかからず。そんなスタートだったのに、発売元のCD PROJEKT REDは「直します!」と宣言して修正を続けたんです。課金型のオンラインゲームと違って、売り切りのソフトにコストをかけても一円にもならない。

それでも信頼のために直し続けて、3年経った今年の新シナリオDLCを含む大型アップデートでついに完成したんです。あきらめない心と、ユーザー満足のために命を懸ける姿勢。ものを作る人間として感動しました。

『ニューロマンサー』の世界がついに体験可能になった

さらに「体験としてすごい」という点も。僕は中学の時、ウィリアム・ギブスンのSF小説『ニューロマンサー』に魅了されました。将来、技術が進歩すると超電脳スラム街が誕生するというビジョンを打ち出し、『AKIRA』や『攻殻機動隊』にも影響を与えた名作中の名作。映像化をずっと願ってきたんですが、噂は出ても実現しなかった。それをゲームの世界で実現してくれたのが本作なんです。

小説『ニューロマンサー』、ゲーム原作の1993年発売のルールブック和訳版
左/ゲーム原作の1993年発売のルールブック和訳版(本山さん私物)。右/小説『ニューロマンサー』。
©Konami Digital Entertainment

衛星軌道上に金持ちのリゾートがあるとか、ハッキングして急襲部隊が突っ込むとか、『ニューロマンサー』のシーンが踏襲されている。さらに主要人物ジョニーをキアヌ・リーヴスが演じているのは、「サイバーパンク=キアヌ」を印象づけたギブスン原作の映画『JM』へのオマージュ。

これもわかってるなあと。さらに何一つ現実に存在しないナイトシティの世界を、看板や企業ロゴまで緻密に作り上げている。それが地域ごとの文化や歴史を表しているから、ものすごい情報密度。これだけ没入感を得られるゲームはないんじゃないかと思います。

本山敬一がおすすめする3作品

NieR Replicant(2010)

対応機種:PS3

ゲーム『NieR Replicant』
『NieR:Automata』の前作にあたるアクションRPG。「トゥルーエンドまで4回遊ばないとならず、そのたび印象がガラッと変わる。物語がリアルを侵食し、映画や演劇で言う“第四の壁”を越える演出に衝撃を受けた名作」©SQUARE ENIX Developed by cavia Inc.

ファイナルファンタジー(2010)

対応機種:PS5/PS4/PC

ゲーム『ファイナルファンタジーXIV オンライン』ビジュアル
『FF』シリーズ2作目のMMORPG。「ある時パーティの一人の関西のバーテンダーがミスをして、そのシリアスさに広島の公務員が“ドンマイ、声出していこうよ!”。陰キャだった自分も感動して、初めて声を出しました」©SQUARE ENIX

Vampire Survivors(2022)

対応機種:Switch/Xbox/PC/iOS/Android

ゲーム『Vampire Survivors』
迫りくる数百のモンスターを素早く撃破するインディーゲーム。「プレイするうちにどんどんレベルが上がり、約20分くらいで最強に。改めてゲームの良さってグラフィックじゃないよねと気づかせてくれた作品です」©2021 Poncle Limited. All rights reserved. VAMPIRE SURVIVORS is a trademark of Poncle Limited