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古着タウン、千葉・柏を掘りたい!郷愁と物欲を刺激する注目の古着屋4店

古着の価格高騰が進むなか、時が止まったかのごとくレア物が見つかる、柏。お宝を探しにライター・オオサワ系さんが潜入!

photo: Jun Nakagawa / text: Kei Osawa

案内人:オオサワ系(ライター、インタビュアー)

郷愁と物欲を刺激する!往年の古着ファンの原風景がここに

ライター、インタビュアー・オオサワ系

古着ラバーはロマンティストだ。宴席で顔を合わせればたちどころに90年代古着ブーム時の話に発展し、当時買い逃したデニムや、諸事情から泣く泣く手放してしまったスエットのことなどを嬉々として語る。そんなとき、いつも決まって挙がるのが柏だ。柏が話題に上ると彼らは俄然饒舌になり、同じ話を繰り返す。古着ラバーにとって柏は古着の原風景。酔うと何度でも語りたくなる、カラオケでいうところの“サビ”なのだ。

柏のセレクトショップに勤務していた人によると、同地が古着の街として注目を集めたのは28年前から。1995年に〈フリークスストア柏店〉(現在は閉店)が古着の取り扱いをスタートすると、近隣には雨後のタケノコのごとく新店がオープンし、一躍古着の街として世に知られることとなった。その後、増減を繰り返しながらいまに至るという。今回訪れた4店は、いずれも創業20年以上を誇る老舗。激戦区で勝ち続けるにはそれなりの秘訣があるのだ。

まず訪れたのは〈コモン〉。2001年のオープン直後からその人気は絶大。質&量とも柏随一の品揃えで、トゥルーヴィンテージが激安で膨大に陳列されている。90年代のフリマを彷彿とさせる雰囲気は、一日中いても飽きない。

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SNSじゃ見つからない業界人もお忍びで通う名店

古いものだと1940年代頃のヴィンテージから、比較的新しい90年代のレギュラー古着まで商品総数はおよそ2,000着。圧倒的な品数に加え、人気スタイリストが足繁く通うほどデザイン性の高いアイテムが揃う。70〜80年代の〈チャンピオン〉やフットボールものといった、今夏注目度の高いTシャツも豊富だ。SNSでの展開をしていないので、アイテムの素晴らしさに触れるなら実際に足を運ぶしかない。

そして〈エウーゴ〉と〈ウエスビル〉では、色落ちの美しいヴィンテージデニム、ヒョウやヘビをモチーフにしたバッシュなどがお目見え。ディープな品揃えは、店内に足を踏み入れた瞬間、90年代にタイムスリップしたかのような気分に浸れる。

AEUGO

90年代当時に憧れた名作スニーカーがずらり

2001年の創業以来、力を入れているのがスニーカー。〈ナイキ〉のワッフル トレーナーやコルテッツといったジョギング系から、〈プーマ〉ビーストや〈アディダス〉メトロアティチュードといったバッシュまで、80年代のものを中心にマニア垂涎のアイテムが極上コンディションで勢揃い。トレンドアイテムである〈リーバイス®〉や〈リー〉などのデニムアイテムも見応え十分だ。

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骨太なヴィンテージが揃う、柏古着のパイオニア

2023年で24周年を迎える、柏古着界の古株。アイテムは毎回、オーナー自らがアメリカから直接買い付けており、今夏は70年代頃のコンディション良好な〈リーバイス®〉のGジャンや、90年代の〈レインスプーナー〉のハワイアンなどがイチオシ。ウェア以外にも、アンティークの家具や食器なども展開しており、こちらも見応えあり。

そして〈シャムロック〉は、アウターからシャツ、靴に至るまでデッドストックの山……。フラッシャーの付いていない商品の方が少なく感じるほど。古着ラバーには眼福ものだ。

SHAMROCK

デッドストックを探すならまずはここから

デニムやミリタリー、アウトドア、トラッドに至るまで、ジャンルを問わず古き良きアメリカンファッションの基本アイテムが揃い、そのほとんどをデッドストックで展開しているという貴重なお店。シューズやワークシャツなど、ものによってはサイズ展開もあるというから驚き!もちろんユーズドも、新品と見紛うほどの美品揃いだ。

どのショップも、仲間とともに90年代の郷愁に浸るには十分すぎるほどの品揃え。そしてノスタルジックな空気に触れたあとは、みんなで〈ボンベイ〉のカレーを頬張るのが柏の流儀。ビールを飲んで何度もサビを語り合うのもまた一興。あのときのロマンが柏にはあるのだ。

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※紹介した古着の多くは一点物で、品切れの場合があります。価格等の情報は取材時のもので、変更になる場合があります。