日本酒の既成概念を壊す〈F1625〉の挑戦
スペック非公開、会員のみの限定販売、高価格と、今までの日本酒の常識を変えようと挑戦を続ける〈F1625〉。ブランドを牽引するのは金沢で400年続く日本酒の老舗〈福光屋〉の14代目、福光太一郎さんだ。
いつか飲んでみたいと憧れを抱かせる日本酒を目指し、〈福光屋〉が土作りから60年取り組んできた農家で栽培した酒米と、蔵の地下からこんこんと湧く「百年水」という最上級の素材を駆使して低温で一カ月ほどかけ発酵させ、醸し、手搾りで完成させる。自ずと醸造はごく限られた量になるため、会員制をとっているのも納得である。
BRUTUS特別編集〈F1625〉特集も
その〈F1625〉初のイベントが行われたのは、国やジャンルを超えた料理と圧倒的な空間づくりで話題の〈A_RESTAURANT〉。まさに〈F1625〉を愛する人々が集うにはうってつけのスペシャルな場所だ。しかし、スペシャルなのは場所だけではない。
今回、〈F1625〉の挑戦に深く共感したBRUTUSが、会員限定のBRUTUS特別編集〈F1625〉特集をエディット。全国から集まったゲストの席に一冊ずつ配られ、22日にはBRUTUS編集長・田島朗と福光太一郎さん、そしてクリエイティブ・ディレクターの小西利行さんによるトークイベントも開催された。
体験したことのない、日本酒のあたらしい世界へ
トークイベントのあとは、マスターライン「いのたち」をはじめ、この日のための特別限定酒も用意された、それは贅沢なペアリングのフルコース。
まさに搾られたばかりの「いのたち 2023 The First Drop」には帆立を、白ワインのような香りと酸味の2017BYとバランスの良い旨みの2020BYをブレンドした有機純米酒「みつのきKAZE 2017+2020」には穴子を、長期熟成した「ときのさ2013」には短角牛を。今まで体験したことのない日本酒のあたらしい世界に誰もが心を揺さぶられた、メモリアルな一夜となった。