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“記憶”を撮る。最新カメラ「GFX100RF」で味わう新たな写真体験

4月10日(木)に発売される〈富士フイルム〉の最新カメラ「GFX100RF」は、1億200万画素の圧倒的な描写力と普段使いできるコンパクトな設計、そしてスタイリッシュなデザインを兼ね備える。アートディレクターの前田晃伸さんがいちはやくこのカメラを体験し、カメラ本来の体験価値を再発見した。

photo: Shinsaku Yasujima / text: Masae Wako

撮影にこめる思い

「そもそもカメラや写真に惹かれたのは学生の頃でした。誰もが日常的に写真を撮るようになった時代ですね。僕の場合は、撮りたい対象があったわけではなく、現実世界を自分のフレーミングで切り取ることで、ある種のメッセージを伝えたいという気持ちが先にありました」

そう話すのは、横浜DeNAベイスターズのヴィジュアルディレクションや『POPEYE』誌のリニューアルなどで知られ、カメラマンとしても活動するアートディレクターの前田晃伸さん。

「アートディレクターとして大切にしている基準は、直感的にカッコいいと思えるかどうか。やっぱり、熱狂的なファンを生むほどのカッコよさをもつものだけが、時代を超えて残っていくと思うんです」

普段からデジタルカメラとフィルムカメラを併用するという前田さんに、数日の間「GFX100RF」を持ち歩いてもらい、実際に撮影をしてほしいとお願いした。

アートディレクター・前田晃伸
「よりカッコいいものを選び、見る人が喜ぶデザインを探るのが仕事です」

初めて手にした印象は?

「とにかくカッコいい。アルミの削り出しでここまでキリッとエッジをきかせているのが素晴らしいですよね。フロントにロゴが入ってないのも洗練されています。普通は入れちゃうじゃないですか。すごいな、決断したんだな、って思います。ストラップも黒一色のロープスタイルで、目立たない部分に刻印のロゴがあるだけ。デザインの本質に徹底的にこだわり、所有欲をくすぐる美学を貫いているところに、ブランドの自信と底力を感じます」

「GFX100RF」は、プロの写真家にも愛用者の多い富士フイルムのミラーレスデジタルカメラ「GFXシリーズ」の最新作。「GFX」といえば、35mm判の約1.7倍となる、43.8mm × 32.9mmサイズのラージフォーマットセンサーを採用しており、高い解像度と豊かな階調が特徴のシリーズ。そこに、デザイン性や軽快さが特徴の“撮る楽しさ”を追求した「Xシリーズ」の特性を融合させたのが、「GFX100RF」というわけだ。

クラシックな佇まいと現代の使いやすさ

実際に使用して体験したことで、シンプルでありながらも深い奥行きを感じさせる、デザイン哲学が垣間見えた。

「いちばんの特徴は手元のダイヤルやボタンですよね。クラシックなフィルムカメラのような佇まいもありつつ、操作性は高くて扱いやすい。シャッタースピードや露出、ISO感度などの基本設定は手元まわりに集約されているので、何をどう操作すればいいかはひと目でわかります。カメラを構えたまま指でダイヤルを回してアスペクト比(画像の縦横比)を瞬時に切り替えできるのも、すごく便利。ファインダーをのぞきながら17:6のパノラマにも、1:1のスクエアにも、3:4の縦写真にもチェンジできる。片手で自然に持てるほど軽いことにも驚きました」

その重さ、なんと735g(バッテリー、メモリーカード含む)。「GFX」初となるレンズ一体型カメラで、レンズや本体の設計を徹底的に見直し、シリーズ最軽量を実現したのだとか。

「気軽に持ち運べることもあって、まずはそこまで細かい調整もせず、パッと撮影してみたんです。それだけでこのクオリティが出せるのだから、1億200万画素って想像以上にすごい」

その言葉とともに見せてもらったのは、実際に「GFX100RF」で撮影した数枚の写真。その豊かな質感と陰影の美しさに一瞬で引き込まれる!

「質感がリッチなのが僕にとっては非常に魅力的です。中間のトーンがなめらかで、グラデーションもきれい。色彩の表現も素晴らしくて、撮影した写真では、微妙な色の変化や深みをしっかりと捉えられました。立体感があって、色や素材感がちゃんと浮かび上がってくるんですよね」


ままならないから面白い。カメラ本来の撮影体験を味わえる

使用中の「ある意味、ままならない感じ」も、前田さんにとっては好ましかったという。

「基本構造はシンプルだし、難しいことはないのですが、もう一歩先へ進もうとすると学習が必要になる。たとえば手ブレ補正のような機能はついていないので、シャッターを押せば簡単に自動的にきれいに写る……というわけにはいきません。ファインダーをのぞきながら画角を切り替えることができるレバーを微調整し、いや、これは僕が対象物に近寄ったほうがいいのかな、みたいに、よりよい自分設定を探る必要がある。そのちょっとしたもどかしさがとても面白かったんです」

取材中もずっとカメラを手にしたまま、ダイヤル操作やあちこちのボタンを試しては、「このダイヤル操作の感触がいいですね」「ピントを合わせる時に、クロップ(広く撮った画を画面上で切り取る、疑似的なズーム機能)を利用してもいいのかな」と、使い方を考えたり発見したり。

「背面の液晶を見ながら撮影することも、もちろんできるんです。でも、僕にとってこれは、ファインダーをのぞかないと撮れない気がするカメラ。シャッターは押せるけれど、それだけではいい写真にならないというか。ちゃんと構えてファインダーを通して見て初めて“撮れている”という感覚を味わえる。だからこそ、しっかり腰を据えて対象物と向き合いながらシャッターを切りたくなる。きっと、それがカメラの原点であり本質でもあるんでしょうね」

ハイスペックな機能が生む写真のクオリティはもちろん、インスタントではない撮影体験に触れることができる点も、このカメラの大きな魅力。

「日常的に持つカメラとして、おすすめです。旅先とかで風景を撮るのにも向いていると思う」

ちなみに、前田さんはふだん撮った写真をどう楽しんでいるのだろう?

「仕事に使うわけでもSNSに挙げるわけでもなく、ただただ撮りためています。そして、しばらく寝かせておく(笑)。今って、自分の撮った写真を常に目にしているようなことも多いけれど、あえて距離をおいてからたまに見ると、意外によかったりするんですよね。なんだろうな……記録ではなく“記憶”として味わえるのかもしれない。そういう写真体験も楽しいですよ」