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「GAME STYLEBOOK 2023 ゲーム、どう楽しんでる?」編集後記:小説感覚でインディーゲームを

2023年11月15日発売 No.997「GAME STYLEBOOK 2023 ゲーム、どう楽しんでる?」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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小説感覚でインディーゲームを

「一般的に広く知られていないのが勿体ない。ここ数年、カルチャーとしてずっと面白いんですよ」。特集の打ち合わせ初回、ゲームライターさやわかさんの一言がきっかけで、“インディーゲームをゼロから楽しむためのガイド(GOOD INDIE GAME GUIDE 64)”を作ることになりました。

そもそもインディーゲームとは何か。識者曰く、はっきりと定義するのは難しいけれど、大まかに言えば「大手メーカーではなく、個人や中小のチームで制作したゲーム」のこと。さらにそこには、

・プレイ時間が短めでスキマ時間に遊べる作品が多い
・価格も100円単位からあって比較的手頃
・テーマ設定や作りがユニークで面白い

などという特徴が見られるそうです。(忙しい大人にぴったりですね)

これに関連して印象的だったのが、「インディーゲームは表現手段の一つになっている」という話。近年は自分の価値観やアイデンティティ、ごく私的(かもしれない)体験や思い出を盛り込んだ、小説や漫画、ショートムービーを作る感覚でゲームとして表現しているクリエイターがたくさんいる。さらに世界中の作品の中から自分なりに1本を選び取り、“私の体験”としてゲームを楽しんでいる人たちもいる。

そんなふうに、作り手とプレイヤーの人口が増え、作品自体の幅も広がっていくという現象が、インディーゲームの世界で起きています。(特集でお話を伺ったアーティスト、オオクボリュウさんもシーンに身を置くひとり。詳しくは本誌にて)

この構造こそ、識者たちが「いま面白い」と口を揃える理由。はじめての方にもそうじゃない方にも、豊かで刺激的なインディーゲームの世界を自由に味わってもらえたら。そんな思いのもと、今回の企画では全部で64作品を厳選。「ミステリー」「パズル」「ホラー」「探索」「学び」「癒やし」など13のキーワード別に、インディーゲーム愛あふれるプロ3名のコメントを添えて紹介しています。ぜひ本誌を片手に、あなたのお気に入りの1本を探してみてください。

『Hypnospace Outlaw』
個人的に熱中しているのは、ガイドの中でも紹介した『Hypnospace Outlaw』(2019年)。90年代のインターネットを舞台に、架空の電脳世界をパトロールするというユニークな設定のインディーゲームです。画面端、ブラウザウィンドウの細部まで妙にリアルでかわいいですよね。懐かしさ大爆発のローポリビジュアル、浮遊感あるローファイなサントラがなかなか心地いい。うっかり夜中に始めようものなら、朝なんて永遠に来ないと脳が勘違いするほどの没入度です。日本語非対応ですが直感的にも遊べる部分もありおすすめ。

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