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「珍奇鉱物」編集後記:水晶に始まり、水晶に終わる

2023年5月15日発売 No.985「珍奇鉱物」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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水晶に始まり、水晶に終わる

昨年6月に珍奇シリーズ最後(?)の砦として送り出した「珍奇鉱物」特集、第2弾が早くも完成しました。ヨーロッパ最大級の鉱物イベントであるミュンヘン・ショーや世界トップコレクターのファビアン・ヴィルドファング氏の私設ギャラリーを訪れたり、チェコでモルダバイトを掘ってみたり、中東レバノンにある驚愕の鉱物博物館を取材したり。世界中から選りすぐりの鉱物情報を集めた、さながら“珍奇鉱物大博覧会”な一冊!前作に全く引けを取らないスペシャルな内容でお届けします。

巻頭は珍奇シリーズではお馴染みの、特別グラビア「ファインミネラル図鑑」。今号は、前作の図鑑のトリを飾ったクォーツ(水晶)から始まります。鉱物標本収集の世界では、「水晶に始まり、水晶に終わる」と言われるほど奥深いジャンルで、無色なもの、色がついたもの、結晶内に内包物が見られるもの、形状が独特なもの……、とその幅はとにかく広い。水晶と聞いてイメージする姿から大きくかけ離れたものもあり、これも水晶なの?と驚くこと必至。クォーツだけを集めるコレクターがいる、というのも納得です。

今号には、そんな多様性のあるクォーツの世界を掘り下げる企画が他にも!鉱物の内包物(インクルージョン)を顕微鏡で撮影する、カリフォルニアのフォトマイクログラファー、ルーカス・ファサーリ氏を取材し、クォーツの内側に広がる艶やかな景色を紹介。また、世界中で産出するクォーツの中でも特にクオリティが高いと評されるスイスアルプスのクォーツの採掘記も掲載。標高3,000mの高所での危険と隣り合わせの採掘に情熱を注ぐ、クリスタルハンターの姿に胸を打たれます。

もちろんクォーツだけでなく、魅力的な鉱物たちが目白押しの一冊ですので、美しきファインミネラルの世界、そして鉱物収集趣味の世界に浸かってみてください。

ドイツ産のクォーツ
特集制作中に購入したドイツ産のクォーツ。ドロマイトとの共生標本で、放射状に広がる結晶が美しい……。
985号の「ファインミネラル図鑑」のページ。シトリン・カルサイト、クォーツ「ハーキマーダイヤモンド」
今号の「ファインミネラル図鑑」も、めくるだけ、眺めるだけでも心踊る、鮮やかな鉱物写真がたくさん。

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