今年3月にネットを駆けめぐった「VISION&Contact閉店」のニュースに衝撃を受けたのは、きっと僕だけじゃないはず。なにしろ渋谷、ひいては東京のクラブカルチャーを、現在進行形で牽引している2店です。
「夜」で特集をつくると決まったとき、両店を営む村田大造さんにはまず話を聞かねばと思っておりました。すると念願叶って、同じく現役で道玄坂エリアを盛り上げる、〈翠月 - MITSUKI -〉などを営むRYUZOさんと対談してもらえることに。
夜の仕掛け人といえば、外せなかったのは〈TSUBAKI HOUSE〉や〈GOLD〉を筆頭に、東京のクラブカルチャーをまさにつくり、育んできた佐藤俊博さん&都築響一さんコンビ。この2組に、誌面では「夜のつくり方」を尋ねました。それぞれ話はまったく異なる方向に転がっていきましたが、これからの夜にも期待がもてる、充実の対談になりました。クラブやバーのほか、羽田空港の灯りに照らされながら耽る夜釣りや、ライブ空間さながらの演出技術を備えたカラオケスナックなどなど、夜ならではの醍醐味は尽きません。短期間で目をこすりながら通った東京の夜、それはそれは楽しいものでした。
この2、3年で、僕らは家の中でもそれなりに楽しく過ごす術を覚えたと思います。でもそれは、76歳現役で渋谷を鳴らす井上順さんの言葉を借りれば、極めて「もったいない」こと。日が暮れた家の外には、まだまだ出会いと発見があふれていますよ。
岩手の自然と人の手で紡ぐ腕時計。匠の技を未来に継承する、〈グランドセイコー〉の新しい工房