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「Fashion and Emotions 感情で、服を着る。」特集 編集後記:脳ではなく、脊髄反射で服を着よう。

2022年3月15日発売 No.958「Fashion and Emotions 感情で、服を着る。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

Photo: Cap

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今シーズンの〈ジル サンダー〉、見ましたか?黒やネイビーといった落ち着いたトーンのイメージから一転、ピンクやイエロー、セージにオレンジと、とってもカラフルなんです。袖を通すだけで幸せな気分になる、そんなコレクションを作ったルーシー&ルーク・メイヤーに今の気分を聞いてみると……。

「昨年の6月に待望の娘が生まれたのです。それだけが理由ではないですが、“明るい未来”を望む思いが強くなったのは確かです」とのこと。気持ちを明るくする色にこだわったという二人の思いに強く共感。ファッションは、私たちにとって一番身近な環境要因。それゆえに、感情にダイレクトに作用するものだと思うのです。服が変われば気持ちも変わる、そして気持ちが変われば服も変わる。

ここ数年、着るものを選ぶ基準が、「着心地の良さ」とか「サスティナブルである」とか「機能性に優れている」とか、頭で考えていませんでしたか?もちろん、どれも大事なことですが、今はもっと、感情的に服を着てもいいんじゃないかと思い、「Fashion and Emotions 感情で、服を着る。」というテーマで特集を作りました。毎日着る服だからこそ、楽しむに越したことはないですよね。

そんな今号ですが、パワフルな色使いの服を着たいよね、と色をテーマにした撮影をしたり、自分らしさを表現するために柄物を取り入れたいかも、と柄を巧みに使ったページを作ったり。あとは、長らくトレンドだったストリートスタイルやオーバーサイズへのアンチテーゼ的に、トラッドを軸にしたスタイリングを考えたり、そろそろ脱スニーカーはどうだろう?と革靴だけの企画を考えたり……。

かなり主観的ですが、私たちも感情のままにファッションページをたくさん作ってみました。見た人、読んだ人が、少しでもファッションに対してポジティブな気持ちになったら幸いです。外に出られる時間は少ない今ですが、いつもよりちょっとだけ刺激的な装いに挑戦してみてください。

辻田翔哉(本誌担当編集)

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