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From Editors:Documentary Is Pop!

2021年11月15日発売 No.951「沸騰! ドキュメンタリー好き。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

今年の8月16日、あるドキュメンタリーの予告編がYoutubeに公開されました。サムネイルは獣神サンダー・ライガーのマスクを被った、謎の人物。こちら、車を追っかけてでもコメントを取ろうとするマスコミに対して、ライガーのマスクをかぶって対応する電気グルーヴの石野卓球さんを映画監督の大根仁さんが撮ったもの。そう、2015年に公開された「DENKI GROOVE THE MOVIE? -石野卓球とピエール瀧」の続編といえる「DENKI GROOVE THE MOVIE 2 ? OFFICIAL TRAILER」だったのです。

「新幹線大爆破」のような一発勝負のスリルと、「男たちの挽歌」よろしく、漢の結束を追体験できる映像は、爆笑のち感涙必至(詳しくは本誌のP18を)。そう考えると、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなど配信サービスが普及したこの数年間で新旧のドキュメンタリーの名作がどんどん配信されるようになり、気がつけばマイリストがドキュメンタリーでいっぱい。そう、ドキュメンタリーの世界はただいま沸騰中、ポップカルチャーど真ん中なのではないか、と。

ということで、毎年秋の恒例、BRUTUSの映画特集、今年は「ドキュメンタリー」に絞ってみました。30人近くの方に取材したのですが、みなさん、話が面白くて、そして熱い! ドキュメンタリーって人に語りたくなる、薦めたくなる力があるのかも。特集は完成しましたが、まだまだこの沼から逃れられない気が…。

斉藤和義(本誌担当編集)

ドキュメンタリー特集をするなら、昭和天皇パチンコ狙撃事件のあの奥崎謙三に密着したドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」で知られる監督、原一男さんをインタビューしたいと思っていたところ、11月27日から原監督の新作「水俣曼荼羅」(写真、©疾走プロダクション)が公開されると聞き、ならば、ここは「混ぜるな、キケン」の逆(!?)ってことで、今、最も危険な監督、テレビ東京の「ハイパーバードボイルドグルメリポート」の上出遼平ディレクターに原さんをインタビューしてもらうことに。「ドキュメンタリーは肉体や命を削らないと良いものはできない」という、腹を括ったもの同士だけの対峙とエールの交歓にしびれました。