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From Editors:撮れないものを撮ろうとして

2021年11月15日発売 No.951「沸騰! ドキュメンタリー好き。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

「『虚空門GATE』がすごい」。チーム・ドキュメンタリー特集が動き出してすぐ、ライターさんから1本の映画をおすすめされました。あやしげなタイトルに惹かれてあらすじを調べてみると、

「月面異星人遺体動画に触発された監督の小路谷は、UFO研究家にその真偽を問うが、フェイクとの意見が多かった。 小路谷はそれをきっかけとして様々なUFO遭遇体験者に取材を重ねた。 ある日、UFOを呼べるという男、庄司哲郎が現れ、一緒にUFO撮影を試みた。 すると実際にUFOは現れ、彼はスマホで写して見せた。 しかし、小路谷には写せなかった。数ヵ月後、小路谷はあらためてUFO撮影を試みるが、肝心の庄司は来ない、 所在不明となってしまった。」(公式HPより)……。

面白そう!とさっそく視聴。そして「これはすごいものを見たぞ」と興奮。かくして、「オカルトとドキュメンタリー」というテーマでページを作ることになったのでした。

ナビゲーターとしてインタビューに答えてくれたオカルト研究家の吉田悠軌さんいわく、「オカルトと映像、その相性は最悪」。そもそもオカルトは”物理現象の外にあるもの”なので、カメラでとらえることはできないのです。ですが、だからこそ、「『映すことができない=必ず失敗する』試みに挑戦する、ドン・キホーテ的な面白さがある」と、吉田さんは語ってくれました。

世の中にはさまざまな優れたドキュメンタリー作品があります。社会の情勢やセレブリティの秘めた心、知られざる動植物の生態が「わかる」体験はもちろん素晴らしいですが、むきだしの圧倒的な「よくわからなさ」にガツンと殴られるという体験も、なかなか面白いものです。

鴨志田早紀(本誌担当編集)

オカルトページ、文章はもちろんですが吉岡リナさんのイラストをぜひ紙で見てほしい。圧巻!最高!ご本人もオカルト好きとのことで、込められた念が感じられるような筆遣いです。