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From Editors:僕たちは、蒸留酒を求めている。それは気分だけのものではない。

2021年11月1日発売 No.950「酒と飲み方。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

東京・荒木町に、なにを質問しても、必要以上に語らず、しかし十二分に説明してくれるワインバーがある。客の好みに合ったワインを的確に出し、かつ今まで出会ったことのない酒を提供してくれる。

今回の特集を考えるとき、「ハードリカーの特集をやろうと思うのだけど」とまずはじめに彼に連絡をした。その店で、タガメのジンを飲ませてもらったときの鮮烈な印象が、この特集の動機にもなったし、そういえばバックバーに並ぶボトルを見ていると、明らかに「こやつハードリカー好きだな」と思っての連絡だった。案の定、すぐに返事がきた。いつになく冗舌な、長文メール。ワインを主戦場とする彼が、ここまで熱くなる。ハードリカーやれる、と思った。

彼には、今回、フレンチ、中華、和食に合う蒸留酒をアテンドしてもらう役目で登場してもらった。この日は、3軒を一気に巡る強行軍。けっこうな酒量である。取材が終わった後、彼が言ったセリフがある。「蒸留酒は飲み疲れしない。そして、意識をしっかりして飲むと、だれない。ビールやワインは、いい意味で、カラダから力が抜けるけれども」。

僕も年齢からなのか、このところ、ビールやワインを飲んで、ごはんを食べると、“疲れる”という感覚があった(飲み過ぎっていう話もあるが)。食中酒にハードリカーを選ぶようになって、食後にカラダが重くないっていう感覚は、まさに彼が説明してくれたとおりだった。

From editors:僕たちは、蒸留酒を求めている。それは気分だけのものではない。
ワインで10年も熟成させたら、こんな値段で買うことはできない。タリスカー10年は、値段、味、度数、流通状況どれをとってもとても優秀だ、と彼は語る。オススメは、カレーパン。その話を聞いて、カレーパンを買って帰ろうと思ったら、どこも売り切れで、カップヌードルのカレー味でペアリング。パーフェクトなマリアージュでありました。

ビールもワインも日本酒も、もちろん大好き。それはみなさんもきっと同じだろうけれども、ハードリカーの懐の深さには、侮りがたいところがある。今回の特集を読んで、ぜひいろいろな新しい酒との出会いを!

そうそう、この店に先日行ったとき、彼がお客さんにワインのボトルの開け方を説明していた。これもまた、とてもわかりやすかったので、小話に。① ソムリエナイフで。② 抜栓は最初が肝心。スクリューの先端をコルクのど真ん中に刺す。③ボトルを斜めにして、直立させながらスクリューを回す。するとまっすぐコルクにスクリューが入る。あとは力を入れなくても抜ける。

試したら、実に簡単だった。

杉江宣洋(本誌担当編集)