珍奇シリーズも10周年!今年は、パワーアップして帰ってきた「珍奇植物」です
昆虫、鉱物と近年シリーズ化していた珍奇特集も、2015年の「珍奇植物」第一弾から早くも10年が経ちました。そんな記念すべき(?)今年は、6年ぶりに「珍奇植物」をお届けします。
この6年で、植物栽培の世界にも大きな変化がありました。LEDライトの技術革新によって、日本では育てるのが難しいとされていた種にも挑戦できるようになったり、野生株さながらの実生株を育てられるようになったり。園芸家あるあるの「植物の置き場問題」も、LEDライトがあれば自然光が届かない場所でも育てられるようになり一件落着というわけです。ただ、どう飾ろうか、という新たな悩みが出てくるのですが……。
特集の巻頭は、珍奇シリーズでは恒例の図鑑企画から。今回はインドアグリーンに特化した、ビザールで魅力的な植物を集めました。ジャングルの塊根植物・アリダマ、色気のある光沢が魅力のパナマソウ、多様な迷彩模様を有するアグラオネマ、樹皮を這い登るクライマー植物……。これまでの珍奇植物で扱ってきた乾燥地帯の植物とはまた違った、熱帯雨林のじめっとした植物たちが目白押しです。
また「LED栽培の愉しみかた」という企画では、ガラスケースの中にジャングルの情景を作り育てるパルダリウム、ティランジア、乾燥地帯の実生栽培、高難度の高地性植物、という各ジャンルごとにエキスパートたちがLED栽培のスタイルを紹介してくれました。中でも、乾燥地帯植物のLEDスタイルを教えてくれた、園芸家のShabomaniac!さんの栽培株が衝撃的でした。LEDの強い光量と腰水で栽培された植物たちの、「これ実生なの!?」と思わされる野生株さながらのワイルドな姿は圧巻。ぜひ誌面でご覧ください。
その他にもLEDで育てたい、魅惑のアリ植物の楽園〈伊藤蟻植物園〉や南米アロイドの専門ナーサリー〈Urban Jungle〉への取材、熱帯植物の聖地・ボルネオ島へのロケ、世界の植物研究家たちによる自生地紀行、LEDを駆使した理想の植物部屋まで、インドアグリーンの楽しみ方を存分に紹介した一冊になりました。
かく言う自分も、植物はもっぱら自然光栽培派だったので、LEDの進化を知り、自宅の植物たちとの付き合いかたを見直している現在。インドアグリーンの無限の可能性に、園芸家として胸が躍らないわけがない!
