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「韓国の今を誰も知らない!」編集後記:みんなが韓国を語る2025年に

2025年4月15日発売 No.1029「韓国の今を誰も知らない!」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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みんなが韓国を語る2025年に

韓国のコンテンツを目にしない日はありません。第四次韓流ブームと呼ばれて久しいここ数年。YouTubeやSNSはそれまで韓国に興味のなかった層にコンテンツを届け、テレビや新聞では政治やエンタメを報じ、Netflixはドラマ好きの心を掴み、NJZ(旧ニュージーンズ)はK-POPをK-POP好き以外に届けました。海外旅行の旅先としても、あらゆる年代に人気が高くなっています。

韓国はそこまで面白く、魅力のある国です。

そして、それまで知らなかった隣国にこんな面白いものがある、と語りたくなります。もちろん私もその一人です。しかしこの特集は“何も知らない”というところに立ち戻ってみようと思いました。時差もなく、東京から2時間半で行ける韓国は、確かに日本と共通するところも多い。だから先入観も持ってしまうし、余計に違うところに目がいきます。でも半月の間韓国を旅して出会った人々と会話をするたび、すでに何度も行ったことのある自分が何も知らないということに気付かされました。

特集では旅のガイドもたくさん盛り込みましたが、海外の都市を特集した号としては文章多めの作りになっています。わからないなりに、できる限り丁寧に、キーパーソンたちの言葉が伝わるようにページにまとめました。時間をかけて読んでもらえると嬉しいです。

最後に、印象に残っている言葉を一つ。

シンガーソングライターで、文筆家で映像作家のイ・ランさんが取材で言ってくれた言葉です。

「韓国に夢を抱かないでください」

その言葉はネガティブでもあり、ポジティブさも含んでいるように感じました。彼女の心の底から出てきた思いであり、それもまた韓国の一面であるはずです。

余計にわからなくなった。でもそれでいいとも思ったのです。

カンジャンケジャン
人生最高のカンジャンケジャンに出会ったのは、本誌p.17で紹介している〈サンジ〉。これがとんでもなく美味しいことだけはよくわかりました。
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