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「全国民に贈るサザンオールスターズ特集」編集後記:突然ですがここでクイズです

2025年3月1日発売 No.1026「全国民に贈るサザンオールスターズ特集」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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突然ですがここでクイズです

三つ目

アウト

【    】

出来ない

この、【   】に入る言葉は何でしょう?

(正解は、編集後記の最後に)

昔観に行ったお笑いライブのクイズコーナーで出されたこの問題に頭を捻り、“サザンオールスターズのある曲”のフレーズが答えだと気づいた時、なんて洒落たクイズなんだろう!と、シビれたことがありました。

その後も度々“その曲”を耳にするとこのクイズのことを思い出すのですが、次第に「日本中の誰もが答えられることが前提になっている、こんなクイズが成立する曲・アーティストはまずいないのでは?」という感動の気持ちが大きくなっていったんです。

あの日、何百人とお客さんのいるライブ会場で、答えがわかった人がぽつぽつとあげた感嘆の声と、正解が発表された時に感じた、会場を包み込む圧倒的な納得感。

誰しもの耳に残るメロディラインに、想像もしない歌詞が乗る。そしてどこか日本語でないような発音で歌い上げるのに、不思議と日本人の耳にしっくりと馴染む。

「国民的」と言われるアーティストや楽曲は数あれど、歌詞と、メロディと、歌い方と。数々の奇跡が折重ならないと、こんなふうに誰もが納得する「クイズの答え」になるような曲って生まれない。

改めてサザンオールスターズの、そして桑田さんの作る曲の力に心をつかまれたのでした。

そんな奇跡の虜になった面々に登場いただいたのが、本特集内のBook in Book『14人のファンたちが読み解くサザンの新しい音楽。』。

各界のサザンラバーズたちが、ニュー・オリジナル・アルバム『THANK YOU SO MUCH』について、そして自らとサザンのとっておきの思い出について、たっぷりと語ってくれました。

誰もが知っているアーティストでありながら、同時に誰もがひとつは自分だけの、サザンの曲との特別な思い出を持っている。

それもまたすごいことだと感じた取材になりました。

「見つめ合うと素直にお喋り出来ない」

そんな歌詞にしみじみと共感する、ちょっぴりシャイな日本人の心をひとつにできる。サザンオールスターズの楽曲のパワーに触れられる一冊を、ぜひお楽しみください。

(ということで、冒頭のクイズの答えはサザンオールスターズ『TSUNAMI』の歌詞より、「お喋り」でした!)

大根仁
聖地ビクタースタジオでの試聴会後、映像監督・大根仁さんの取材の様子。Spotifyで作っているという「MY サザンプレイリスト」を見ながらお話しくださいました。photo/Ayane Matsui

「全国民に贈るサザンオールスターズ特集」ポップアップバナー

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