「通いたくなる水族館。」編集後記:“キラメイ”ているラッコに会いに

2024年3月1日発売 No.1003「通いたくなる水族館。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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“キラメイ”ているラッコに会いに

子供のころ、夏休みに名古屋の祖父母を訪ねつつ、三重県・鳥羽市の鳥羽水族館まで足を伸ばした思い出があります。折しも、ラッコが水族館で飼われ始めた頃で、「ラッコ見学証明書」(だったと思うのですが)を頂き、大事にしていた記憶が。また、ラッコを主人公にした、いがらしみきおさんの漫画「ぼのぼの」も連載をスタートし、そのゆったりとした世界観に惹かれてコミックを購読したものです。

時は経ち、最近再び気になっていた、鳥羽水族館の2頭のラッコ、キラとメイ。飼育員さんとコミュニケーションする様子が愛らしく、SNSを中心に、すごい人気だと聞いていました。鳥羽水族館は、昨秋ラッコ飼育40周年を迎え、ジュゴンの飼育も60年超え。イルカ類の人工哺育にも国内で初めて成功するなど海獣の飼育に定評があります。そこで、今回「海獣」の企画を担当することになった私は、再び鳥羽水族館の生き物たちに会いに行きました。

ラッコの担当飼育員で指導役の石原良浩さんのお話を伺い、“お食事タイム”を待ちます。人気のラッコだけあって、海外からもファンの方が来ていて、水槽の前でカメラを構える光景も。2名の女性飼育員さんが登場すると、お客さんたちは色めき立ち、2頭もそれまでの泳ぎとは違う動きを見せます。イタチの仲間だけあって、ものすごく素早く泳ぎ回り、いっときもじっとしていません。

表情や動きが目まぐるしく変わる、その一瞬一瞬から目が離せない。そんな中で、カメラマンの関めぐみさんが粘りに粘って撮ってくれたのが、今回の表紙にもなっている貴重なツーショット。本誌では、いがらしみきおさんのインタビューと、特別に描き下ろしていただいた、「ぼのぼの」とのコラボレーションも。2頭の“キラメイ”ている様子、をぜひご覧ください。

ラッコ
ラッコがお客さんのすぐ前まで来て、貝を割る仕草をすることも。

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