Watch

Watch

見る

水族館で出会いたい、水の生き物図鑑 〜淡水魚編〜

海水魚に似た魚から、恐竜の時代から進化せずに生きた化石と呼ばれるような古代魚まで。地域によって水質や周辺の環境が大きく異なるからこその多様性を楽しみたい。

photo: Satoshi Nagare / text: Rie Nishikawa

キッシンググラミー

魚同士のキスから始まるのは?

キッシンググラミー
それは喧嘩。オス同士が出会うと口で押し合い、威嚇する争いが起こる。キスしているような闘争行動から名づけられた。インドネシアに生息する小型の熱帯魚で、この発達した口で水コケや動物性プランクトンを食べる。©カワスイ 川崎水族館

アルタムエンゼル

大きなヒレで優雅に泳ぐ熱帯魚

アルタムエンゼル
コロンビア等に生息するエンゼルフィッシュの一種で、体高30cmほどに成長する大型の熱帯魚。背ビレと腹ビレが長く伸び、縞模様が特徴。とてもデリケートで、飼育が難しいとされ、熱帯魚の王様とも呼ばれる。

ブルーカンディル

ピラニアより怖い⁉アマゾン最強で最恐

ブルーカンディル
目が退化していてほとんど見えないが、嗅覚が非常に発達していて、血やアンモニアのにおいを頼りに獲物を見つける肉食性のナマズ。表皮を食い破るほか、エラなどから体の中に入り込み、内側から肉を食い尽くすという。©カワスイ 川崎水族館

トランスルーセントグラスキャット

骨が透けて見えるほど限りなく透明

トランスルーセントグラスキャット
透明な体で水と同化するナマズの仲間。東南アジアに生息する熱帯魚で、ナマズに見えないが2本のヒゲがちゃんとあって器用にエサを探していく。少し臆病な性格なので単独飼育に向かない。群泳するのが特徴だ。

ゴールデンゼブラシクリッド

ブルーからゴールドに変化

ゴールデンゼブラシクリッド
幼魚はオスもメスも鮮やかな青、オスは成長すると黄色に変化する。800種ものシクリッドが暮らす、アフリカ東南部の世界遺産マラウイ湖が原産。卵を口にくわえたまま孵化させ、稚魚を口の中で育てるマウスブリーダー。©カワスイ 川崎水族館

コモンシートフィッシュ

つぶらな瞳と笑顔がチャームポイント

コモンシートフィッシュ
メタリックな大型ナマズ。東南アジアに分布し、最大60~80cm、食用としてタイの市場でよく見られるそう。〈カワスイ 川崎水族館〉の展示するナマズが順位を争うキャットフィッシュ総選挙で2位になったことも。

ピラニア・ナッテリー

肉食魚だけど、実は臆病な性格

ピラニア・ナッテリー
アマゾン川に生息する大型の肉食魚。ピラニアの中でも最も一般的な種で、赤い腹に金粉をまぶしたような輝きを持つ体が特徴だ。体長は最大30~40cmになる。殺人魚として有名だが、普段は小魚や魚の死骸などを食べる。

アユ

清流に暮らす日本の淡水魚代表

アユ
古くから日本人に愛され、柳の葉のような優雅な姿で、スイカに似た香りがすることから香魚と呼ばれることも。北海道西部以南の日本各地、韓国や中国にも分布。川で暮らし、産卵するが、稚魚の間は海で生活する。©カワスイ 川崎水族館

デンキウナギ

最大600〜800Vの電気を発生

デンキウナギ
家庭用電圧100Vと比べてもその強力さはわかるはず。数秒間放電し、相手を気絶させて捕食する。アマゾン川流域に分布し、最大全長2m、20kgにも。最近の研究で、放電で周囲の生物の遺伝子を変化させていることが判明。

スッポンモドキ

スッポンでもブタでもありません

スッポンモド
別名はブタバナガメ。ブタのような鼻、スッポンみたいな皮膚、ウミガメのような体のユニークなカメ。スッポンモドキ科スッポンモドキ属、オーストラリアやパプアニューギニアに生息。産卵以外は陸に上がらない。

アフリカンマッドスキッパー

水から出て、陸上で歩く姿が大人気

アフリカンマッドスキッパー
魚なのに胸ビレを足のように使って陸上を歩き、尾でジャンプ。アフリカ大陸西部の海に近い干潟やマングローブの森に暮らすハゼの仲間。体長15〜30cm。エラ呼吸だけでなく、皮膚呼吸もできるので陸上でも生活できる。

レッドジュエルフィッシュ

親が交互に育児する子育て上手

レッドジュエルフィッシュ
赤い宝石という名前の通り、オスもメスも真っ赤な体に青い斑点のある美しい姿。西アフリカに分布し、体長10cm前後。繁殖時に赤の色が鮮やかに。水中の石などに卵を産みつけ、オスとメスで卵や稚魚を守り育てる。

テッポウウオ

水鉄砲を操る、水中のスナイパー

テッポウウオ
水面上にいる昆虫などを口に含んだ水で撃ち落として、捕食する行動で知られる。口先は下アゴが出ていて、前上向きに尖っているので水を噴射しやすい作り。体長15~30cmほど、東南アジアの熱帯域に分布する。©カワスイ 川崎水族館

ピラルクー

生きた化石といわれる世界最大級の淡水魚

ピラルクー
アマゾン川流域に生息する古代魚で、平均でも体長3m、大きいものは5mを超え、200kgにもなるという。全身ウロコに覆われていて、成魚は体の後ろ半分が赤くなるのが特徴。小さな魚や小エビを丸呑みにして食べる。©世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

スポッテッドバラムンディ

1億年前から姿が変わっていない古代魚

スポッテッドバラムンディ
アロワナ科の魚で、オーストラリアの河川や沼に生息する。体長50~100cmに成長する。アマゾン川などにいるシルバーアロワナ、色バリエーションが美しいアジアアロワナなどとともに、水族館でも人気の高い種。